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新型GT-Rがスカイラインを名乗らない理由(2ページ目)

衝撃的デビューから半年たらずが経過し、オーナーの手元に届きつつある新型GT-R。過熱した報道も一段落したところで、あらためて冷静に検証するとともに、GT-Rがスカイラインを名乗らなかった理由を考えたいと思う。

岡本 幸一郎

執筆者:岡本 幸一郎

車ガイド

480psを発揮するVR38DETT

最高出力480ps [353kW]/6400rpm、最大トルク60.0kgm[588Nm]/3200~5200rpmというスペックを誇るVR38DETTユニット。最新のクルマとしては、エンジンカバーの面積がやや小さく、本体の見えている部分が多くて、なぜかホッとさせられる……

エンジンスタートボタンを押すと、スカイラインはおろか、これまでの日本車では聞いたことのないような迫力あるクランキング音が。エンジンをかけた瞬間から、「速いクルマ」としての演出が始まります。

低回転域から図太いトルクを発生するエンジンは、どこから踏んでも全域でとにかく「速い!」にひとこと。低回転域からターボラグをまったく感じさせないレスポンスのよさに感心します。トップエンドまでシャープに吹け上がり、強力な加速Gを続かせます。この感覚は、評価の高いVQエンジンを搭載するスカイラインと比べると、まったく異質であり、別次元の速さを持っています。単にVQに過給機をプラスしたものとはワケが違います。

ちなみに筆者は過去に700馬力級のR32スカイラインGT-Rのチューニングカーに乗ったことがありますが、それよりもはるかに扱いやすく、秩序ある感覚の中で圧倒的な加速を味わわせてくれるという印象。ただし、そこには従来の直6のRB26DETTのようなドラマチックな感覚は、むしろ持ち合わせていないような印象で、いわば無情なまでに、とにかく「速い!」のが新型GT-Rなのです。

HパターンのMTの設定は無く、ATのようなシフトノブを操ってシフトチェンジする。その前方のセンターパネルには、VDC-Rやダンプトロニックの調整スイッチが設置される

このエンジンフィールと、デュアルクラッチトランスミッションの組み合わせが素晴らしく、もはや通常のHパターンMTの必要性を感じさせないほど。加速Gをほとんど途切れさせることなく維持させてくれます。

シフトダウン時には、自動的に空吹かしをして回転を合わせてくれるのですが、過給がからむと、その制御がややこしいはずのハイパワーターボエンジンながら、低回転でも非常に正確に制御されていることにも感心しました。

また一方で、オートモードではATのような感覚で運転すること可能です。さすがにゼロスタート時にはギクシャクするシーンもあるものの、この圧倒的な高性能をイージードライブで操ることができるのもGT-Rの側面なのです。



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