持ち前の電子制御がより洗練
第4世代を迎えたランエボの最新モデル。価格299万8000円(RS)~424万4000円(プレミアムパッケージ) |
ランサーエボリューションvsインプレッサWRX STIの宿命のライバル対決も、新たな局面を迎えました。ランエボはモーターショー直前の10月1日(月)に発表。そしてインプレッサWRX STIは、モーターショーのプレスデーの24日(水)午前に発表されました。
まずはエボX。エボの武器である電子制御が、非常に洗練されたことがポイント。これまで少々トリッキーな面もありましたが、電子制御が介入する際の“違和感”は格段に薄れた印象です。
そして、しっかりした剛性を持つボディとあいまって「魔法のようなハンドリング」を実現。まるでタイヤのグリップ性能が高まったかと思うようなフィーリングです。ルックス的にも、これまでのランエボの、いわば少々汗臭い印象が薄れて、洗練された雰囲気をまとっています。
あくまで従来の延長上にある
ハッチバックとなったインプレッサのSTIも、いよいよ登場。価格344万4000円(17インチ仕様)~365万4000円 |
対するインプレッサWRX STIは、ハッチバック化ばかりに目を奪われがちですが、走りのパフォーマンスも大きくアップ。リアサスペンションが、ストラットからダブルウィッシュボーンに変わったおかげで、ロードホールディング性能が格段に向上。それにつれてか、フロントサスペンションのセッティングも洗練され、従来見受けられたアンダーステアも減っています。
エボXは、数値的には従来よりも上がっていますが、加速感はいくらか大人しめになっていました。インプも、ついに2Lターボながら300馬力に突入したわけです。ただし、どちらも車重は増加。この点はいささか残念ではあります。
この2台、以前ほどガチンコの関係ではなくなったように思います。エボXは電子制御バリバリのハイテクマシン。そして新世代を迎えて、デザインテイストこそ変わったけど、明らかに従来の延長上にあるクルマです。
対するインプは、あくまでクルマのパッケージにこだわっています。筆者は当初、「名前だけインプレッサで別のクルマになった」と認識していましたが、それは違ったようです。ハッチバックになっても、基本的なクルマの素性は、これまでもスバルが大いにこだわってきたインプレッサのあるべき姿の延長上にあります。
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