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今年限りで生産が終了するNSXの今後に迫る ホンダNSXの未来 PART1(2ページ目)

NSXは実に様々なことを僕に教えてくれた。そんなNSXが7月12日、今年限りでの生産終了を発表。そこで今回は僕が今まで苦楽を共にしたNSXとの思い出や、次期NSXについての展望を書き綴ってみました。

執筆者:河口 まなぶ

タイプRに乗ってNSXを手に入れたいと思った

再びの出会いはそれから約1年と半年が過ぎた頃だった。2002年2月。再び清水和夫氏に導かれ、日本人ジャーナリストとして初めて2代目NSX-Rプロトタイプに触れることを許された。

試乗の日の朝、ホテル・ツインリンクの部屋から外を見ると無情にも雨…僕は正直ビビッた。なぜならプロトタイプゆえ、価格はないが開発費等を考えれば数億円のクルマだ。

朝パドックで清水氏がこういった。「絶対に壊さないのはもちろん、スピンのひとつもしてはいけない」正直僕は、少しも踏めないだろう…と思えた。

僕が最初に購入したNSXタイプS
しかし旧型のNSX-Rや当時の現行タイプSで走行を重ねるうちに路面は少しずつ乾き始めた。そしてついに僕がNSX-Rプロトタイプをほぼドライで試乗することに。

走らせて即座に、圧倒的な進化を感じた。特に空力性能の向上はハンパではなく、ダウンヒルストレートでは速度が上がるに連れて車体が路面へと押し付けられる感覚を確かに感じることができた。またそのブレーキ性能、特にABSの進化にも圧倒された。そして僕はついに、NSXを手に入れたいと思った。

NSXを手に入れた理由は、プロトタイプの試乗で感激を受けたこともあるが、実はもうひとつ重要なものを忘れることができない。その後取材で清水和夫氏と、フジスピードウェイでポルシェを走らせた時のこと。清水氏は言った。

「スポーツカーの世界にはフェラーリ、ポルシェ、そして日本のNSXという山がある。男ならば、自動車ジャーナリストならば、そのうちのどれかの頂上に登ってみた方がいい。山の頂上からでなければ見えない景色が絶対にあるし、山頂に登ったからこそ分かることがあるのだから…」

実は僕はこの言葉に感化された。そうしてNSXを選んだのだ。その意味では僕とNSXを結びつけてくれたのは、清水和夫氏なのだと思う、感謝感謝、心底感謝しています。

フェラーリやポルシェは当然、経済的に手に入れることが許されなかった。というか、キッチリと現行モデルを手に入れたいと思っていたからこそ、フェラーリもポルシェも考えなかった。それに僕は何より、日本車を愛しているのだ、意外にも。

こうして僕は現行モデルではあるが中古のNSXタイプSを手に入れ、NSXとの生活を始めたのである。

関連サイト
NSXの未来PART2はコチラ
NSXの未来PART3はコチラ
NSXの未来PART4はコチラ
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