歴史が途切れずに新型にバトンタッチしてほしかった
そう、NSXというコンセプトは、このクルマに関わるあらゆるものを含んだ、「ひとつの世界なのだ」とこの時初めて理解した。ホンダの圧倒的なものつくりに対するこだわりは、ひとつの世界を形成するほどのものだったのである。こうして僕はますますNSXにのめり込んでいった。そして2004年には現行のNSX-R(これも中古車だが)に乗り換えて、現在1年と少しが経過したところだ。
そして2005年7月12日。僕がNSXと出会ってからちょうど5年後のその日に、ホンダはNSXの今年限りでの生産終了をアナウンスした。全くの偶然ではあるが、僕にとってもちろん、日付が重なったことは意味あることとして胸に強く響いたのは間違いない。
そしてこの発表は同時に、後継車を開発中という情報を伴ってアナウンスされた。
またその後、社長年央会見においてホンダの福井社長は後継車がV10を搭載し、3-4年後に姿を見せることを約束した。アナウンスを聞いて、当然戸惑いを覚えた。もちろん「いつかは…」と思っていたが、僕が予想していたよりもそのタイミングはかなり早いものだったといえる。
実は心の中では、歴史が途切れずに新型にバトンタッチすることを望んでいた。なぜなら89-90年辺りに登場した国産スポーツカーの中において90年登場のNSXは、89年登場のロードスターに次いで長寿のスポーツカーであり、現在では貴重な歴史を持つたった2台だけの国産スポーツカーだったからである。
もう1台のロードスターは今年、図らずもフルモデルチェンジを果たすわけで、国産スポーツカーの中では唯一の長寿モデルとなる。NSXも同様に続いて欲しかったのだが…。
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