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フィットハイブリッドを脅かす標準エンジンのフィット

ハイブリッドが売れ筋の新型フィットだが、実は標準エンジンを搭載するモデルもクルマとしての仕上がりはなかなかのもの。どちらを選ぶかお悩みの読者も多いだろう。そこで、動力性能、燃費、乗り心地、車両価格の観点で比較、検証してみた。

国沢 光宏

執筆者:国沢 光宏

車ガイド

侮れない標準エンジンモデル

フィットといえばハイブリッドが話題&売れ筋になっているものの、クルマとしての仕上がりや完成度で評価したなら普通のエンジンを搭載したモデルだって負けていない。気になる燃費も20~30%の差といったイメージ。果たしてドチラを選んだらいいのか、ジックリ考えてみよう。

フィット

満を持しての新型フィット。ハイブリッドも、標準エンジンモデルもクルマとしての仕上がりはかなり高い


■動力性能
標準車の1.3リッターエンジンは100馬力で、ハイブリッドの最高出力に相当する「システム出力」(エンジンとモーターの合算出力)の137馬力より20%ほど少なく、全開加速すると勝てない。ただ追い越し加速や、停止時からの加速となると状況が変わる。

エンジン停止状態からの加速は、まず30馬力のモーターのパワーだけで始まるからだ。エンジン始動という手順(タイムラグ)の後、エンジン出力が上乗せされ、システム出力になっていく。30馬力のモーターパワーから137馬力のシステム出力全開になるまで2秒程度掛かってしまう。

アクセル全開後3秒間の加速力比較をしたら、1.3リッターエンジンの方が速いほど。もっと言えば、1.3リッターエンジンで不満無いレベルです。ちなみにアクセル踏んでからシステム出力に達するまで、トヨタ・アクアも同等のタイムラグを持つ。ハイブリッド車同士の比較だと引き分け。
フィット

売れ筋はハイブリッドモデルだが、特にハイブリッドにこだわりがなければ、標準エンジンモデルも積極的におすすめできる


ハイブリッドは1万km走ると2万5000円お得

■燃費
まだ詳しい比較テストを行っていないものの、北海道のテストコースと、横浜で行われた試乗会のデータからすれば、前述の通り20~30%の差。ハイブリッド車が20km/L走るような交通状況で、標準エンジンは14~16km/Lといったイメージ。標準エンジンの燃費、とっても良い。

しかもハイブリッド車の場合、走り始め10分間の燃費は電池残量によって大きく異なる。ディーラー試乗のように短い時間だと、電池残量少なければ標準エンジンと同じくらいの燃費しか出ないことだってあるほど。もし試乗で燃費をチェックするなら、電池残量を確認してからにしたい。

1万km走行時に必要なガソリン代の差は、ハイブリッドを20km/L。標準エンジンを15km/Lとして2万5000円だ。ハイブリッドと標準エンジン車の価格差は36万円以上あるので、10万km走ってもモトが取れないことは認識しておいたらいいと思う。標準エンジンの燃費が良すぎる?
フィット

実用燃費、ハイブリッドモデルで約20km/L、標準エンジンモデルで約15km/Lといったところか


■乗り心地
ハイブリッドは遮音材をたくさん使っているため、騒音という点で評価すると標準エンジンより明らかに静か。ただ足回りで決まる「乗り心地」を比べると標準エンジン優勢。滑らかなのだ。ハイブリッドのライバルであるアクアと比べればフィットの方がいい。でも身内と比べたら届いていない。

■車両価格
標準エンジン搭載フィットのおすすめは『1.3GFパッケージ』に自動ブレーキ+サイドエアバッグがセットになった『安心パッケージ付き』で142万円。こいつにナビを付ければ全く不満なし。ほぼ同じ装備内容を持つハイブリッドの『Fパッケージ』の安心パッケージだと178万円。

ということで標準エンジンと比べるとハイブリッドは少し不利なような気がする。もしハイブリッドにこだわらないなら、納期が早い標準エンジンも考えてみたらいかがだろう。しかし! 最大のライバルであるアクアと比較したなら、フィットハイブリッドは強い。次回にアクアvsフィットハイブリッドをお届けしたい。
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