実際にどれくらいの踏力でABSが作動するのかを体感してみる

 ABS作動
滑りやすい路面以外で、ABSを作動させたことがないという人は、一度安全な場所でフル制動を試してみてほしい
そこでおススメしたいのが、安全な広場などで、一度ABSが効く領域(ABSなしのクルマの場合は、タイヤがロックする状態)までしっかりとブレーキを踏んでみることです。スピードはそれほど高くする必要はありません。ドライビングスクールなどでは、50~60km/hくらいからの制動が一般的ですが、あくまでも安全が確保できる範囲で十分です。また、ブレーキを掛ける際には、ステアリングを真っ直ぐの状態にして、しっかりと直進状態を保つように少し力を入れてステアリングを保持してください。

フル制動を一度試してみると、ドライ路面では、思った以上にブレーキを強く踏み込まないと、なかなかABSが作動する領域までブレーキを効かせることができないことが分かると思います。もちろん、ABSを作動させる(=タイヤがロックする)のに必要な踏力は、路面の状態やタイヤの性能、車速など、そのときどきの条件によって大きく異なりますが、一度ドライ路面でABSが効くくらいの制動力を体感しておくと、これくらいの強さでブレーキを踏んでも大丈夫なんだということが理解できると思います。

今どきのABSが付いたクルマであれば、ブレーキを強く踏む分には、たとえ強すぎたとしてもABSがタイヤのロックを解除してくれるのですから大きな問題はありません。逆に、いざというときに、しっかりABSが効く領域までブレーキを踏むことができなければ、ABSの意味もないのです。ABSは付いていれば安心というものではなく、正しくその効果を理解し、必要なときに実際に活用してこそ役に立つというものです。

そんなABSも必ずしも万能というものではなく、路面状況によっては、ABSが効いたことで、逆に制動距離が延びることもありますから、実はケースバイケースで使い分けられることがベストなのですが、なかなかそこまでのコントロールは難しいと思います。そのため、まずはいざというときにABSが効く領域までしっかりとブレーキを踏み込めるよう、一度その感覚を体感しておくことです。

フルオートブレーキ
ボルボの最新のS60では、他の自動車だけでなく、歩行者との接触を避けるフルオートブレーキ機能が採用される
ただ、自動車メーカーなどでも、こうした状況を把握しており、現在ではレーダーやカメラの画像などから急ブレーキが必要と判断される状況においては、弱い踏力でもフルブレーキが掛けられるようあらかじめブレーキの油圧を高めるブレーキアシストが採用されるモデルも増えてきています。また、ボルボでは、それをさらに一歩進め、本当に危険な状況になってもドライバーがブレーキを踏まなかった場合には、自動でフルブレーキを掛ける機能も採用しています。

そうしたクルマ自体の安全性が高くなることも大切ですが、やはりそれ以前にドライバーの側でもできることはしっかりとやっておきたいものですね。





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