ホイールと共に回転する「ブレーキローター」は制動時にブレーキパッドに擦り付けられるため、距離を走れば確実に摩耗。複数の凹凸ができてレコード板のような状態になってくる。そうなるとブレーキパッドの当たりがムラになり、効きが悪化してしまうのだ。
 このため、ブレーキパッドを交換するときは、必ずチェックすべきものなのだ。が、一般ユーザーでそこまで気にしている人は少ない。どこそこの高性能パッドと言たったところでローターが荒れていたら無意味で、食い付きの良いスポーツパッドを使うほど摩耗が早まるので要注意!爪が引っかかる程度の浅いスジが入った程度だったらそれほど気にする必要はないが、波打つような凹凸が生じていたなら保守が必要だ。
 さて、ディスクローターが摩耗してしまった場合、「交換」が原則となるが、摩耗量が1mm下だったら「ローター研磨」という対処法もある。これは専用の研磨機でディスク表面のキズ溝の底まで削ってしまう作業。これを行うことで1~2回は再利用することができるのだ。
 ただし、溝が深かったり限界値まで摩耗していたときは、やはり交換するしかない。特にフロントにセットされているベンチレーテッドタイプのブレーキローターは2枚の円盤を張り合わせた構造で、片面の厚みはそれほどない。全幅で2mm以上摩耗してしまうとかなり薄くなり、クラックが入りやすくなるのだ。そうなるとかなり危険!十分注意したい。
 また、高速で急激に「グッ」とブレーキを踏だりすると、瞬時の熱変化で刀の波紋のような模様がローター表面にできることがある。部分的に熱が集中したことが原因で起きる「熱スポット」と言われる現象で、減速するときにゆっくり踏んでいるときに「ポッン、ポッン」とペダルが戻る。あるいは「ブッブッブッブッ」という脈動を感じるようになる。心臓がドキドキするような感じにだ。このような状態になってしまったときも、交換が原則。部分的な焼き入れ状態を直す方法はないからだ。
●ローター研磨
1.ローターの厚みをチェックする
ブレーキローターが限界まで摩耗すると割れることもあるためブレーキパッドと同様に摩耗限度が規定されている。このため、パット交換するときは厚みをチェックする必要があるのだ。なお、ディスクローターの厚みや摩耗限界は車種によって異なるため、ディーラーなどで確認しておきたい。
2.研磨機をセットする
摩耗量が1mm以下ならローター研磨が可能だ。ローター研磨機の接続アダプターをホイールナットでハブにしっかり固定し、ブレーキローター後方から研磨機をセットし、超硬バイトの当たり量を調整後、中心から外へ向かってまっすぐに削っていく。
3.ローターを研磨する
研磨が始まると削れた所と削れていない所とで縞模様になる。そのような凹凸が削れて均一な平面になるまで繰り返し切削していく。仕上がりは新品同様で、パッド交換と同時に行えば効果が倍増するのだ。


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