車の冷却水の点検・補充は「リザーバータンク」で簡単に行える
冷却水はエンジンルーム内に設置された「リザーバータンク」で、目視でチェックすることができるようになっている。
これは冷却水を溜めておく半透明の樹脂製のタンクで、ラジエーターキャップの取り付け部に接続されたゴムホース(オーバーフローパイプ)でラジエーターとつながっている。冷却水の温度が上昇すると体積が膨張してラジエーター内の圧力が上昇。温度が下がると膨張した体積が収縮することで負圧(吸い込もうとする圧力)が発生するという「圧力変動」を「リザーバータンク」で吸収させる構造になっているからだ。
そのシステムの「要」となるのがラジエターキャップに設けられた「リリーフバルブ」で、冷却水の温度が上昇して冷却経路内の圧力が高まるとラジエーターキッャプに設けられた「プレッシャーバルブ(加圧弁)」が開き、あふれ出た冷却水がオーバーフローパイプを通って「リザーバータンク」へと流れ込む。逆に、冷却水温が低くなって圧力が大気圧より下がると「バキュームバルブ(負圧弁)」が開き、リザーバータンク内の冷却水がラジエター内へ吸い込まれる。
このような構造から圧力漏れ、つまり水漏れが発生しない限り、冷却水が極端に減ることはない(タンク内の冷却水は蒸発するため、ある程度は減少する)。そして、点検・補充も「リザーバータンク」で簡単に行えるようにもなっているのだ。
車の冷却水の点検1.水温が下がっていることを確認する
水温計で水温が下がっていることを確認しよう
車の冷却水の点検2.リザーバータンクの設置場所を確認する
キャップを確認すれば安心だ
車の冷却水の点検3.キャップの表記を確認する
リザーバータンクのキャップにはたいてい「冷却水」「COOLANT」といった表記がされているので、始めてチャレンジするなら、念のため確認を!車の冷却水の点検4.交換・補充時期の目安は液量と色目をチェック
色の濁度を確かめましょう
リザーブタンクの側面で液量チェック
冷却水の点検を怠ると…冷却経路内にサビが発生すると冷却水が茶色に
経路内が錆びた際の冷却水の色
経路内が錆びた際の冷却水の色2
車の冷却水の補充.MINレベルまで減っていたら補充しておく
冷却水補充の様子
冷却水(LLC)は交換用の原液と補充用の補充液の2タイプがある
冷却水、LLC(画像はAmazonより引用http://amzn.asia/askPEGG)
このような不都合を防止するため、冷却水には凍結と錆を防止する働きを持った「LLC」が使用されている。これは2年間交換が不要な不凍液の一種で、凍結防止温度は水との混合比率によって調整することが可能となっている。このため、カー用品店では「原液」と「補充用」の2種類の形態のものが売られているのだ。
前者は「水道水」で必要な濃度に薄めて使用するもので、交換時などの多量に使用するときに。後者はそのまま注入できるよう予め適当な濃度に薄められており、補充時といった少量の使用に向く。つまり、使用目的に応じて選ぶ必要があるのだ。購入時は注意したい。
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