一定量のオイルを循環使用している４ストロークのエンジンオイルには、循環しているうちにゴミや金属粉、燃焼時に発生するカーボン、ワニスなどといった不純物がどうしても混入する。そして、これら不純物のうち質量が重い物はオイルパンに沈殿するが、軽い物はオイルと共にエンジン各部に圧送されてしまうのだ。この結果、摩耗を促進したり、状況によっては焼き付きの原因となる。そこで、オイルの圧送ラインの途中に｢オイルフィルター｣を設けることで不純物を取り除く働きをさせている。
この「オイルフィルター」、幾重にも折り込むことで表面積を広げた濾紙を円筒状に加工したもので、使用していれば当然詰まりが発生。詰まったとしてもリリーフバルブから必要最低限のオイルが流れるため、すぐにエンジンが焼き付くということはない。が、オイルの流れが悪くなることでエンジンの不調を招いてしまうことになるのだ。
このため、定期的に交換する必要がある。その交換サイクルの目安は「オイル交換２回に１回」。単独で交換することもできるが、オイル交換のついでにしてしまうのがもっとも確実だ。脱着時には0.5Ｌ前後オイルが抜けてしまうため、補充が必要となるなど２度手間となるからだ。
また、純正品の利用がベストだが、適応車種さえ間違えなければ車外品を使用しても特に問題はない。ただし、オイルフィルターは車種別で形式が異なると取り付けられないため、購入するときは注意！車検証に記載されている「形式」と「初年度登録年月」くらいは最低限、チェックしておく必要がある。
１.オイルフィルターの取り付け位置を確認する
オイルフィルターの設置場所はエンジン下部のエンジンブロックの側面に横から、もしくはエンジン真下から垂直に取り付けられている。スチール製の円筒状パーツで、通常、円筒形のケースごと交換する（外車ではケース内のフィルター部分のみ交換するタイプもある）。なお、近年、エンジンの真下からセットされる傾向にあり、エンジンルームから覗いて見当たらないときは脱着時、クルマの下に潜る必要がでてくる。
●レンチはソケット形状の専用サイズ品がベスト！
オイルフィルターを取り外すことを目的としたフィルターレンチは、様々な形状の汎用品が市販されている。
ところが、近年のクルマのエンジンルームは作業スペースが狭くなる一方。オイルパン周辺の空間にもそれほど余裕はないため、汎用フィルターレンチでは外せないケースが多々ある。はまったとしてもハンドルを回す余裕がほとんどないからだ。また、乗用車用のオイルフィルターは小形化される傾向にあり、汎用レンチではロックできないケースも。このため、自分で交換するときは事前に確認したおくことが大切だ。
なお、汎用品でもフィルターケースの頭部を挟み込んでソケットレンチで回すタイプならＯＫだ。しかし、新たに購入するなら適応サイズが決まっている専用レンチを選定したい。これはフィルター頭部にスッポリ被せて回すソケット形状のフィルターレンチで、締め込みにも対応（近年の純正フィルターはレンチによる締め込みが指定されている）できるからだ。
2.フィルターレンチをセットする
フィルターレンチにラチェットハンドルをセットし、フィルターケースの頭部に奥まで確実にはめ込む。そして、緩め方向(普通のネジと同じ、左回り方向／反時計方向)に回してやる。なお、真下から視認できる状況での交換作業なら間違うことはないが、もしも手探りで作業するときは回す方向に注意！
3.廃油受けをセットし、オイルフィルターを取り外す
手で回るくらいに緩んだら真下に廃油受けをセットし、手回しで素早く取り外す。緩むと廃油が漏れ出すので周りに飛散させないよう注意！捨ててもよい汚れたウエスを用意しておいて、すぐに拭き取れるようにしておきたい。
4.フィルター内の廃油を排出させる
オイルフィルターの内部にも廃油が溜まっているので、取り出すときはこぼさないよう注意！取り外したらただちに廃油受けに持って行き、完全に排出されるまで、しばらく逆さまに置いておく。なお、捨てるときはビニール袋に密閉し、分別ゴミへ。
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