エンジンルーム内やクルマ回りからの日常点検
最近のクルマはめっきり故障しなくなっただけに「ボンネットを開けたことがない」というドライバーが増えている。しかし、エンジンルームにはエンジンやバッテリーといった重要かつメンテナンスを必要とするメカがギッシリ詰め込まれており、ボンネットを開けなければ日常点検さえ満足に行うことができない。このため、メカに自信がなかったなら、メンテナンスの第一歩としてボンネットを開けてみることから始めてみたい。エンジンルームを点検
エンジンルームには重要なメカがギッシリ詰まっているが、日常点検で必要とされるチェック箇所はゲージによる目視点検が主体で慣れてしまえば意外に簡単! 問題があるとすれば、そのゲージがセットされている場所が判るかどうか。「初めて覗く」というビギナーは、まずオーナーズマニュアルをよ~く確認したい。ウインドウォッシャーの液量を確認
ウインドウォッシャー液はエンジンルーム内に設置された専用タンクに入れられており、電動ポンプでフロントウインド前面のウォッシャーノズルから噴出される構造になっている。その専用タンクは冷却水リザーバータンクと間違えやすいが、キャップにワイパーマークが表示されているので注意すれば判別できるはずだ。■点検方法
キャップを開けてタンクの中を覗き見るだけ。市販のウォッシャー液を注入して同量の水を入れるだけ(冬場は原液)と、簡単に補充できるので、もしも半分以下まで減っていたら補充しておきたい。
ブレーキフルードの液量を確認
ブレーキペダルの踏み力は、油圧を利用してブレーキシステムに伝達される。その油圧を発生させるところが「マスターシリンダー」と呼ばれる部分で、運転席前方の鍋をひっくり返したような形状のマスターバック(倍力装置)に取り付けられている。本体上部にはブレーキフルードを溜めておく「リザーバータンク」が設けられており、目視で液量をチェックできるようになっているのだ。■点検方法
リザーバータンクを透かし見て、ブレーキフルードの量を確認する。上下のレベルの間に液面があれば正常だ。ただし、MINレベル近くまで減っていたらブレーキパッドやフルード漏れチェック、ブレーキフルードの補充などといった処置が必要となってくる。もしもそんな状態だったなら、ただちに修理工場に直行したい。
バッテリーの液量を確認
バッテリーに蓄えられる電力には限りがあるためエンジンの回転力を利用した発電が行われており、走行中は常に充電されている。ところが、満充電状態になると行き場を失った電気エネルギーがバッテリー液中の「水分」を電気分解してしまう。このため、バッテリーの液量は少しずつ減っていくのだ。■点検方法
ケースの側面に表示されている上下のライン間に液面があるかチェックする。1セルでも下のラインまで減っていたら補充が必要だ。なお、液面が透けて見えないときは液口栓を取り外し、注入口の上部から覗いてチェックするとよい。液が極板より10mmくらい上にあればOKだ。
冷却水の液量を確認
ラジエターキャップの基部に接続されているオーバーフローパイプを辿っていくと、冷却水を溜めておく「リザーバータンク」が見つかる。半透明の樹脂製で、側面には液量を点検するためのレベル表示がされており、目視で冷却水量が確認できるようになっている。ただし、冷却経路内の圧力変動に伴って冷却水が出たり入ったりするため、冷えているときにチェックするのが基本だ。■点検方法
側面に表示されたFULLとLOWの間に液面が有ればOKだ。なお、補充するときは必ず最適な濃度に薄められた「LLC補充液」を利用して、上限ラインのFULLまで入れておく。
エンジンオイルの液量を確認
エンジンオイルのチェックはエンジンブロックの側面に挿入されている「オイルレベルゲージ」を引き抜けば簡単に行える。頭部に「ENGINE」あるいはオイルポットの絵柄が表示がされているので、すぐに判るはずだ。■点検方法
レベルゲージを引き抜いて先端に付着したオイルを拭き取り、いったん元どおり差し込んでやる。そして、再度引き抜いたときに先端部に付着したオイルで、量を確認する。先端部には上限と下限を示すラインが表示されているので、この間に油面があれば正常。もしも下限ラインまで減っていたときは補充が必要だ。
次のページは、最後の仕上げとなるクルマ回りからの点検です