ゴムパッキンの状態に注意しよう
ラジエータキャップの点検では、ゴムパッキンの状態に注意します。点検するときは、エンジンが冷めた状態で行うようにします。熱いときは加圧されているわけですから、高温の冷却水が噴き出して危険です。
まず、キャップは2段階で外れるようになっていますが、最初の一段階目は緩めるときにある程度の抵抗感があるものです。あまりに軽い場合はパッキンが劣化して薄くなっているかもしれません。外したキャップを裏返してみると、ゴムパッキンが2~3カ所に使われているのが分かります。それぞれ、ヒビ割れや変形していないかチェックします。劣化が進行してくると、圧力弁のゴムの直径が広がって、ベースの金属板より広がっていることもあります。目に見えて痛んでいる場合は、交換した方が良いでしょう。
圧力弁としての機能は、キャップを上下につまんだ時のバネの縮みがそれに当たります。バネは年数が経つと張力が低下してきますが、正確な測定にはキャップテスターという機器が必要なので、良否判定は難しいものです。簡易的には、10kg程度のはかり(無ければ体重計)にキャップを置いて、圧力弁を指で押し下げていき、縮み始めた時の力をゴムパッキンの有効接触面積で割って調整圧を算出します。この時は、新品のキャップと比較した方がより正確です。
負圧弁は圧力弁に重なるように付いていますが、指でつまんで引っ張ってみたときに、すき間ができて離すと元に戻ればOKとしておきます。
キャップ外しのついでに冷却水もチェック
ラジエータキャップを外したときは、内側の口元一杯まで冷却水が入っているか確認します。満タンになっている場合は、エンジンが冷えている状態でもキャップを外した瞬間にLLCが少しこぼれ出ることが多いものです。もし、すき間ができている場合はリザーバータンクが空になっていないか、タンクのフタを外して、中をのぞいてチェックします。不足している場合はLLC(水は避ける)を補充します。次にチェックしたとき、また減っているという場合はどこかから漏れている場合も考えられるので、キャップを含めた各部の点検が必要になります。
交換用キャップの圧力を上げるときは
一般的なラジエータキャップの設定圧力は、0.9や1.1kg平方センチというものですが、スポーツタイプのキャップというものでは1.3kg(平方センチ)などという高圧タイプもあります。この場合、沸点はアップしますが、通常の暖機でリザーバータンクへ冷却水が出ていく時の圧力も高くなるので、日常使用でもゴムホースへ等の負担がアップします。明確な理由がある場合は効果を発揮しますが、はね返りもあるので目的を理解した上で交換しましょう。
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