文章 : 高山則政(All About Japan「カーメンテナンス」旧ガイド)

クルマのメンテナンスでは、エアフィルターの交換のように工具がなくても作業できるものと、ドライバーやスパナなどを使わないと手が付けられない場合があります。クルマにも必要最小限の工具が載っていますが、最近ではメンテナンスフリー化が進んで壊れにくくなり、コストダウンの影響もあるのかジャッキしかない場合もあります。また、仮に数本の工具が載っていたとしても、一時しのぎのためのクオリティしか持っていないことが多いものです。そのため、クルマいじりをやっていこうとすると、必然的に工具が必要になってくるのです。
 今回は、ネジを回す基本的なツールであるドライバーを取り上げてみます。

初めの一本はプラスの2番
 クルマいじりをやったことがない人でも、工具でドライバーといえば、どんなものか知っている人が多いと思います。ドライバーは、クルマに限らず身の回りのあらゆる製品に使われているネジを回すための工具です。ドライバーで回す小さなネジはビスと呼ばれることが多いです(英語表記はscrew:スクリュー)。

 ビスには、様々な種類があって部品を固定する場所や用途によって、ネジそのものの形や長さ、太さや材質などが違っていますが、クルマでよく使われるのはビスの頭(回す部分)にプラスの溝を付けたタイプです。もう一つはマイナスですが、締め付けが強くしにくくて工具が外れやすいので、あまり使われていません。プラスやマイナスの溝は、ネジの太さに合わせていくつかのサイズがあります。ビスの頭とドライバーの先端のサイズをピッタリ合わせることが、確実にビスを回す基本になります。

 プラスのビスでは、1番、2番、3番というサイズの呼び方をしますが、もっとも多く使われるのが2番の大きさです。そして、ドライバーの軸の長さが約10~15?位のタイプが最も標準的なタイプです。このサイズは、ランプレンズの固定ビスや、インパネ周辺の取り付けビス、各種パーツの取り付けなど、あらゆるところで使用されているので、最も出番の多いサイズです。これより細いサイズは1番、太いものは3番となります。

メーカー名の表示がキチンとしている物を選ぶ
 ドライバーを初めとする工具は、形は同じように見えてもクオリティはピンキリです。一番大事なのが、ビスと接触する先端部で質の悪い物では、かみ合わせが悪く、強く回すとすべったりして、溝を壊したり、ドライバーそのものの先端も早く消耗してしまいます。このため、まずは品質のキチンとした物を買っておくことが大切です。これは、ドライバーに限らず工具全般に言えることです。

 では、その品質をどう見極めるかです。ドライバーはホームセンターなどでよく売られていますが、中には安いだけの製品が置いてあることもあります。特に、数十点のレンチがセットになったタイプに多いのですが、品質的に粗悪なものも存在します(ホームセンターの工具が悪いという意味ではありません)。これを見極めるのに手っ取り早い方法は、製品の表面やパッケージに製造元の表示がされているかどうかです。無印の場合は避けておいた方が無難です。
 次に確実なのは、国産品を買うということです。もちろん、この中でも善し悪しや好みが出てきますが、品質的には安心できます。入手しやすい具体的なメーカー名を挙げると、KTC、TONE(トネ)、ベッセル(VESSEL)、Anex(アネックス:兼子製作所)等になります。1本500~1000円程度のタイプもありますが、初心者が初めて買う工具としては十分なクオリティを持っています。また、海外製品でも優れた物が多数あり、スイスのPBなどは特に有名です。