カーメンテナンス/車の点検ポイント

エンジンのコンディションを左右 スパークプラグの点検(2ページ目)

ガソリンエンジンには、混合気に点火する役目を持つスパークプラグがあります。プラグが消耗するとエンジン不調の原因となるので、定期的なチェックが必要になります。

執筆者:高山 則政

プラグの購入
 プラグは、非常にバリエーションが多いので、適当に購入すれば良いというわけではありません。物理的に付くかどうかという点では、ネジ部の径と長さ、6角部の大きさが合っていれば入るのですが、そのほかにも電極部の構造、プラグ全体の長さ、熱価などがエンジンにマッチングしてないといけません。逆にそれらが適合しているなら、他メーカーの製品や高性能タイプを使用することも可能です。

 プラグにはガイシ部に型番が書いてあるので、単に消耗したプラグを交換するだけなら同じ品番、メーカーやタイプを変更する場合は、カーショップなどに置いてある適合表を参考にして選択するようにします。最近のエンジンは、高精度に制御されているので、通常使用下で熱価を変更する理由はないと思います。

 価格の目安は、普通タイプで500円、白金を使った準高性能タイプ(交換時期は普通タイプと同じ)で1000円、イリジウムの超高性能タイプが1500~2500円、メーカー純正の白金やイリジウム(10万kmタイプ)が1500~2000円です(いずれも1本)。交換は一度に全数行うので、6気筒だと3000円から1万円以上の費用がかかることになります。

プラグの交換方法
 プラグ自体の交換は、基本的にボルトの脱着に近い作業ですが、実際にはプラグコードや点火コイルの脱着、果てはその上にカバーやら配管が通っていたりするので、10分で済む簡単なタイプから1時間位かかる複雑なものまで、作業内容はピンキリです。
 ここでは、ごく基本的なタイプを例にとって紹介していきます。

コードの順序を間違えない
 まず、プラグコードを抜き取ります。コードを途中から握るのではなくエンジンに最も近いプラグキャップをしっかり持って引き抜きます。この部分のかみ合わせが非常にキツイものもあるので、勢い余って手をぶつけたり、外れた瞬間にコードが突っ張らないように気をつける必要があります。また、プラグコードはシリンダーごとに順序が決まっているので、あらかじめ入っていた位置をメモしておくことが大切です。間違えるとエンジンが正常に回りませんが、組み付けミスを防ぐため、コード表面にシリンダーNo.が表示されている場合や、長さの設定で入るところにしか入らないというレイアウトの場合もあります。

 次にプラグレンチという専用の工具を使ってプラグを抜き取ります。ほとんどの場合、プラグはエンジンのヘッドにあるプラグホールという筒の奥深くに収まっていて、プラグ自体が露出しているエンジンは少なくなっています。このレンチ、以前は車載工具として搭載されていたこともありますが、プラグトラブルが少なくなったせいか、別に用意する必要があります。

 プラグレンチは、ゴムやマグネットでプラグを落とさないようになっているため、プラグにレンチをしっかり差し込み、レンチを傾けないように回すことが大切です。この意味で、T字タイプのレンチは早回しがしやすく、回転の中心が出しやすくなっています。プラグを緩めたら、そのまま10回転ほど回し、完全に緩んだのを見計らってレンチをゆっくり引き上げます。
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