カーメンテナンス/車の点検ポイント

猛暑でオーバーヒートしないために 冷却水のチェックをやってみよう(3ページ目)

暑い日が当分続くそうですが、こんな時はクルマも夏バテしやすくなってきます。正常なクルマなら何ともないのですが、冷却系に不調を抱えているクルマではオーバーヒートなどに直結しやすくなります。

執筆者:高山 則政

冷却効率をアップするメンテ用品もある
 トラブルを未然に防ぐための方法や冷却効率をアップする方法もいくつかあります。冷却水の強化剤や漏れ止め剤の使用です。冷却水の成分の一つに消泡剤というのがあり、冷却効率を確保するために必要な成分ですが、実のところ寿命は半年くらいなのだそうです。このような、消耗する成分を補うのが強化剤です。

 また、オーバーヒート予防剤や熱交換を早めるケミカルがあり、その中には、確実に効果を発揮する製品もあります。漏れ止め剤は、わずかな減りが気になるが、明らかなトラブル場所があるわけではないという状況にはオススメです。何もトラブルがないときに入れるのは個人的には勧めません。というのは、製品によってはサーモスタットやウォーターポンプのシールに影響するものがあって、かえって不具合を誘発する場合もあるからです。

 ラジエーターキャップはバネが弱くなったり、ゴムパッキンが傷んでくる場合があります。このような時はその車種に適合したキャップと交換するのが有効です。
 チューニング用品としては、高圧タイプのラジエーターキャップがあります。これは、冷却系統の内圧を高めて、沸点を上げようとするものです。しかし、ノーマル車にはオススメしません。というのも、冷却水が暖まると、それ自身の膨張でラジエーターキャップからリザーバータンクへ抜け出るのですが、そのときにラジエーターホースを初めとする冷却系統の負担が増すことになるからです。ですから、ファッションで付けるのはハッキリ言って、逆効果と考えています。オーバーヒート気味のクルマやチューニングで熱量が上がって必要と判断した場合に付けた方が良いとも思います。

適切な交換で冷却系をキレイに保とう
 冷却水が入っていても、オーバーヒートを起こす場合の要因の一つに、冷却系内の詰まりというのがあります。ずーっと使っていると、水アカなどがエンジンやラジエーター内にこびりついて放熱効果が悪くなるのです。基本的には車検ごとの交換を遵守しておけば問題ないと思います。出来れば、水にもこだわった方が良く、不純物のないものが理想的です。最悪なのはミネラルウォーターや井戸水です。

 水道水もベストかといえばそうでなく、カルシウム分などが蓄積する可能性があります。僕は、今のところバッテリー補充液(蒸留水)の1.5リットルボトル(200円程度)などを買ってきて、使っていますが、さらにこだわる人は工業用の純水などを入手しているようです。
 ちなみに、最近のホンダ車(シビックなど)では11年20万?無交換ですが、原液はもとより、希釈用の水も良質なものを使っているようです。
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