VW(フォルクスワーゲン)/トゥーラン/シャラン

CAR ESSAY ゴルフ トゥーラン試乗記

6月上陸予定の新型ゴルフより先に日本に導入されたゴルフ トゥーラン。ライバルの多い日本のコンパクト・ミニバン市場でどう闘うか?

執筆者:岩貞 るみこ


ヨーロッパではミニバンの需要はあんまりない。というか日本のこの長いミニバン・ブームが異常なんだけど。売れまくる日本のミニバン市場に、これを見逃す手はないと(思ったかどうかは不明)、打って出てきたのがゴルフ トゥーランである。名前からして苦労が伺える。ドイツ本国ではただのトゥーラン。でも日本のみなさんにもっと親しみを感じてもらおうと、すでに日本車ほど浸透している「ゴルフ」の名前をアタマにつけるという気配り。すごい。もっとも中身は新型ゴルフだから、違反じゃないけれど。


全長は4390mmとコンパクト。これなら「ミニバン? 大きくて運転しずらいわ」というお母さんも口説ける。しかもなんたって鼻先にはVWのエンブレム。自己主張しすぎない理知的でおとなしいたたずまいは、そんじょそこらの生活臭巻きまくりのミニバンとはちょっと違う。違いのわかるミニバンなのである。


エンジンは1・6Lと2L。どちらもかっちりとした走り心地がいかにもドイツ、というかフォルクスワーゲン。シートもぴしっと硬く、居住まいを思わず正させていただきたくなる真面目さは、個人的にはすごく好き。高級ドイツ車とは違う地道で一生懸命さがにじみ出ている雰囲気は、ミニバン・ユーザーにも愛されるに違いない。
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