VW(フォルクスワーゲン)/トゥーラン/シャラン

CAR ESSAY ゴルフ トゥーラン試乗記(2ページ目)

6月上陸予定の新型ゴルフより先に日本に導入されたゴルフ トゥーラン。ライバルの多い日本のコンパクト・ミニバン市場でどう闘うか?

執筆者:岩貞 るみこ

シートアレンジも豊富。3列あるシートの2列目は、3席それぞれを取り外すことが可能。真ん中をはずして冷蔵庫をつけたり、左右のシートを寄せたりとドイツの夏のバカンス風景が目に浮かぶアイディアである。もっとも日本でははずしたシートをどこに置いておくんだ、という問題が残らないでもないが。

クルマとしてはすごくいい。ただ「日本のミニバン市場」という点では疑問も残る。ドイツ車にしてはがんばってドリンクホルダーや小物入れをたくさん用意したのは偉い。それはすごく評価したい。しかし、まず最初の問題は運転席と助手席のあいだにフィックスされた小物入れがありウォークスルーができないということ。「クルマの中を動くな」とドイツ人の声が聞こえてきそうだが、日本人ファミリーはウォークスルーが大好きなのだからしょうがない。

それともうひとつは、3列目シートへのアクセス。これは2列目シートを写真のように、背もたれを倒し、さらに座面を持ち上げなければ通路をつくることができず、乗り込めないのだ。ううむ、これは。国産ミニバンメーカーでは「使ってもらえない3列シートは意味がない」とばかりに3列目へのアクセスを重視するなか、このゴルフ トゥーランのやり方はかなり厳しい。どうもドイツ本国では基本2列、3列目シートはオプションとして販売しているらしい。それを思うとこのアクセスしにくさもなるほどねって感じではあるが。

もちろん解決策がないわけではない。3列目シートを使うにしても7人めいっぱい乗ることは少ないと思われるので、2列めシートを1席分だけはずし、3列目への通路を確保する方法。これなら常時6人は楽に乗ることが出きるわけだし。

クルマは走るものとウォークスルーを作らず、3列目シートもきちんとオトナの身長までヘッドレストを対応させ、かつ、3点式シートベルトまで採用したゴルフ トゥーラン。ミニバンも含めクルマは走るもの、安全は自分で確保するものという成熟したドライバーが日本にも育っていれば、この価値が理解されるんだと思う。

ゴルフ トゥーランのホームページはこちらから。
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