ジェントルなV8モデル
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V6エンジンは280PS/36.7kg-mとスペックからも十分。V8は4200ccから349PS/44.9kg-mを発揮 |
V8の試乗前は、V6でもパワーは必要十分以上、V8エンジンは必要ないのでは? と感じるほどだった。 乗ってみると意外に感じたのが、従来型のV8モデルよりも洗練されたエンジンフィールであること。いままでは多気筒らしい線の太さが前面に出ている印象で、男らしい演出が強かった。しかし、新しいV8も直噴のFSIとなり、排気量拡大とともにパワーアップを果たしているにも関わらず、静粛性は確実に高まっている。V6が少々やりすぎと思えるので、より高級志向の方はV8のほうが、好みに合っているかもしれない。
安全装備もアップグレード
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オフロード性能も向上。ブレーキング時に威力を発揮する「ABSプラス」は、オフロード走行時の制動力強化に貢献 |
インテリアのデザインや使い勝手に変更はない。高級感のあるインパネや大柄なシートなど、大人4人が快適に過ごせる空間だ。変わったのが、安全装備。滑りやすいダートでの制動力をホイールロックをコントロールすることで強化。また、アクセルペダルを急に離した際にブレーキ圧を強める「ブレーキアシスタント」や、横転防止に威力を発揮する「アクティブロールオーバープロテクション」など、日本における同社のフラッグシップらしい充実ぶりだ。1500万円~2000万円の年収というユーザー層が最も多い高級SUVにとっては、高い安全性を強く主張することも欠かせないのだろう。
買いのグレードはコストパフォーマンスからいってもV6モデルで決まりだが、やや演出に過ぎるエンジンが気になる。高級住宅街から早朝にゴルフに出かけるというエグゼクティブには、より静かなV8という選択肢も考慮していただきたいと思う。
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