なかなか火のつかない良くできた“上等輸入車”

VWパサート

1973年に登場した初代から累計1500万台以上生産されているフォルクスワーゲンの中心モデル。サルーンとヴァリアントと呼ばれるステーションワゴンをラインナップ。国内にはベーシックなコンフォートライン(サルーン 324万円、ヴァリアント 346万円)と、装備を充実させたハイライン(サルーン 374万円、ヴァリアント 396万円)が用意される

VWパサートヴァリアント

ボディサイズはサルーンが全長4785mm×全幅1820mm×全高1490mm、ヴァリアントが全長4785mm×全幅1820mm×全高1530mm

VWは、ビッグマイナーチェンジ(BMC)を大切にする会社だ。そもそもいいクルマを作っておけば、むやみにフルモデルチェンジする必要などないし、開発費も節約できる。ゴルフ5しかり、トゥーランしかり、そして過去のいずれのモデルしかり……。いいクルマを長く作る。ケチなようにみえて、実はそれがメーカーとユーザー、互いに幸せだったりするのだと思う。

パサートが BMCを敢行した。車台と内装はほぼキャリーオーバーだが、エクステリアデザインとパワートレインを“がらり”と変えてきたのだ。VWは世代ごとにフロントマスクを統一する。モデルアイデンティティというやつだ。今、VWの各モデルは、いわゆるシルヴァ顔(ワルター・デ・シルヴァがフォルクスワーゲンのデザイン責任者になって以降のマスクデザイン)になっていて、ポロからトゥアレグまでマスクイメージを共通としている。

VWパサート

コンピューターが運転操作を分析しドライバーの集中力低下を検出、アラーム音とインジケーター内の表示により警告を発する、ドライバー疲労検知システムを装備

パサートにこの顔つきは、とってつけた感アリアリだが、バカ売れしたクルマじゃないから、案外気付かないのかも。そう、パサートは、とてもよくできたクルマなのになかなか火のつかない、典型的な上等輸入車である。

パワートレインの変更で、さらに上等になった。低速域での乱雑な動きに対する我慢が足りなく、昇り坂道や高負荷下における粘りに欠けるきらいがあるけれども、全般的にみて、普段遣いの加速は軽快でテンポよく、ミッドサイズサルーンを心地よくクルーズさせる。特に、高速域でのライドフィールが、堅牢で安心。これぞドイツ車という味わいだ。

VWパサート

最高出力122ps/最大トルク200Nmを発生する1.4リッター直噴ターボエンジンにデュアルクラッチトランスミッションの7速DSGを組み合わせる。アイドリングストップ機構のスタート/ストップシステム、ブレーキエネルギー回生システムなども備わる

“もうひと通りのドイツブランドには乗ってしまったからね”、というツウや、“最近のドイツ車はどうも軟派で”などというこだわり派にこそ、一度味見をして欲しい1台である。


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