トルコの冬(12~3月)
冬のイスティクラル通り(イスタンブール、タキシム)
国民のほとんどがイスラム教徒の国ですから、12月25日のクリスマスはありません。ただ、大みそかから新年にかけての時期をクリスマスと考えているトルコ人が多く、この時期にサンタクロースの格好をした客引きがよく見られるなど、近年町のイルミネーションもかなりクリスマスらしくなってきました。
大みそかの夜、きちんとしたレストランは予約必須でかなり高額です。一人当たり最低1万円、高いところでは10万円近くする場合もあるので、事前に値段を調べましょう。カウントダウンの時間帯、イスタンブールのタキシムやニシャンタシュではコンサートが行われたり、巨大スピーカーからクラブミュージックが流れるなどのイベントが開かれます。盛り上がりはかなりのもの!なのですが……残念ながら、スリや痴漢が多くあまり安全とは言えません。祝日扱いになるのは1月1日のみで、2日以降、学校も仕事も普通に始まります。
冬のトルコを旅行する場合、中央アナトリアまで足をのばすであれば、-10℃ぐらいまで対応できる防寒具を準備しましょう。また、2~3月は雨や雪が多い時期なので、カッパドキアのような石畳や坂が多い地方都市に行く場合にはトレッキングシューズを履くことをお勧めします。
<祝日>
トルコの冬のイベント
■シェビ・アルス(メヴラーナ追悼セレモニー)(コンヤ 12月17日)
くるくる回りながら神と合一するという儀式、セマー
イスラム神秘主義のメヴラーナ教団の父、メヴラーナが亡くなった日を追悼して、年に1度だけ行われるセレモニー。セマーと呼ばれる旋舞儀式が見どころです。
■ラクダ・レスリング(セルチュク・イズミール 1月第3日曜日)
オスのラクダが闘志を燃やす繁殖期に行われます
トルコ人が遊牧民族だった時代から残る伝統競技で、一番有名なのがこのセルチュクの大会。サラブレッドのように、レスリング用に育てられたオスのラクダが伝統衣装を身につけて互いに威嚇する様は見ものです。
■冬物バーゲン(1月15日~3月1日)
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マニサ・メシル・フェスティバル(マニサ 3月)
メシル・マージュヌを投げる首相夫人
メシル・マージュンは、メソポタミア時代から病人に対する滋養強壮剤として処方されてきたもので、41種の薬草と各種ハーブが配合されています。オスマントルコ帝国時代、スレイマン大帝の母ハフサ・スルタンがマニサ滞在中体調を崩したため、相談を受けたスルタン・モスクの神学校長がメシル・マージュヌを調合したところ、病気がたちまち治った、というのがこのお祭りの元。本来はどろっとしたペースト状のものですが、これを固めてキャンディ状に包んだものが、フェスティバル期間中、マニサのスルタン・モスクのテラスから住民に投げ配られます。マニサには何万人もの人がこれを受け取ろうと集まります。2010年には470回を迎えました。
※3月最終日曜日:サマータイム開始