アメリカ人は喜ぶが……
従来モデルに比べ、全長95mm、全幅50mm拡大した新型レガシィ。数モデル前は5ナンバーで収まっていたが…… |
新型レガシィが発表された。改めて実車を見たら、やっぱりデカい! ボディを大きくして上級移行した結果、日本市場から強い拒絶反応を受けたアコードやスカイラインを思い出す。というか、アコードやスカイラインの時と全く同じ状況。当時も「狭い」というリクエストを受け、排気量を上げ、実質的な値上げで「日本人のクルマ」じゃなくなってしまったのだった。
レガシィの場合、さらに状況は複雑。考えて欲しい。2代目のマイナーチェンジの時に追加した「GT-B」(280馬力エンジンとビルシュタイン製ショックアブソーバーを装備)で、絶大な人気を得る。その時のセールスポイントがファンの気持ちをガッチリ掴んだと言ってよかろう。「ボディを容易に大きくするという流れに乗らない!」というのも大きな魅力だったハズ。
今年で誕生から20周年となるレガシィ。根強い人気を誇るモデルだが、五代目となったレガシィはファンにどう響くのか? |
ファンの気持ちをさらに分析すれば「和風のクルマ作りで海外勢と勝負する」という点が小気味良かったんだと思う。第2回日本グランプリでポルシェを抜いたスカイラインはヒーローになった。それと似たような図式です。けれど新しいレガシィを見たら明らかに欧米流。正確に言うと、日本人の願いを汲まず、アメリカ人に喜んで貰えるクルマ作りをしたのだ。こら反感買うでしょう。
価格帯も大幅に高くなった。ツーリングワゴンのベーシックグレードである「2.5i」は、オーディオもアルミホイールも付かず236万2500円。2.5リッターとしちゃ高くないかもしれないけれど、上級移行を望んでいない人からすれば実質的な値上げ(これまたアコードやスカイラインの時と同じ)。しかも一部グレードを除きエコ減税や10万円購入補助の対象外。
では新型レガシィの魅力はないのか? 次ページで紹介