264馬力をFFで受け止める凄いヤツ!
久々の大型新人登場だ! なにしろファミリアの後継モデルであるアクセラに、2,3リッター264馬力のターボエンジンを搭載してしまったのだから。トルクだってインプレッサやランエボに匹敵する38、7kgm! しかもFFだから驚く。もちろん現在販売されているFF車じゃ世界一のスポーツモデルと言ってよかろう。早速テストコースに持ち込み試乗してみた。6速マニュアルミッションの1速を選んでクラッチミート。当然の如くアクセルは床! するとどうだ! 思いっきりホイールスピンするかと予想してたのに、グイグイ前に出て行くじゃないの! さすがに『DSC』(スリップ制御も含む姿勢制御装置)のランプが点灯するけれど、だからといってガックリとパワー落とすような制御をしてない。
おそらくシャシのキャパシティが大きいのだろう。加えてトルセンのLSDも標準装備しているため、215/45R18インチタイヤの強力なグリップ力をフルに使い切れている感じ。FFの技術も上がったということか。タイヤ鳴きまくりとなってしまう昔のFFターボと違い、正統派の速さを持つ。
2速にシフトアップしても加速力は衰えない。2速もあっと言う間にトップエンドまで回って3速へ。う~ん! ジェントルでいながらパワフル! ジャジャ馬をイメージしていたのだが、良い意味で期待を裏切られました。
さて”曲がり”はどうか? ワインディングロード風のハンドリング路を攻めてみたら、これまた「文句ありません!」。ホンダのFFスポーツモデルのような”気難しさ”がないのだ。ホンダのハンドリングに共通するのは、限界の高さ。サーキットみたいな良好な路面を走れば速い。
しかし限界高いと滑った時のコントロールが難しい。オープンロードでは限界の高さより、ラリーカーのような扱いやすい方が安全だし楽しい。アクセラのハンドリングは文字通り「限界よりコントロール性」である。
コーナーの入り口でフロント荷重にしてやれば、テールを流れを自由にコントロール可能。FFのラリーカーの如く姿勢変えながらテール滑らせてコーナーへ飛び込んで行けます。
コーナリング中にアクセル踏んでも、ドカンとパワー出て突如アンダーステアになったりしない。アクセルレスポンスが良いため、右足でグリップを探りながら加速していくというFFスポーツの文法通りのテクニックを使えます。
実際に勝負したワケじゃないから正確なことは言えないけれど、ワインディングロードだとS2000やフェアレディZより速いと思う。ウデさえあればインプレッサやランエボに付いていくことも出来るかも。
何より嬉しいのが価格。6速マニュアルや18インチのタイヤ&アルミホイール、DSC、トルセンLSD、エアロキット、テネコ社製のダンパーまで標準装備して241万円。こら安いと思う!
唯一の難点は、モータースポーツ用のベースモデルじゃないということ。今や単純に速いだけのクルマって正義が無い。このクルマを使ってモータースポーツでもやってくれれば、大人でも乗る”理由”を見つけられるのに……。