スバルらしさは薄いが女性ユーザーにはウケるかも
R2の販売不振は「車高が低かったため」と分析したスバルが、ワゴンRやムーヴと真正面からバッティングするステラをデビューさせた。ライバルと同じくらいの車高を確保し、リアにもキチンとした居住性持たせ、さらにベビーカーも余裕で収納できる広いラゲッジスペースまで確保。果たしてどんなクルマなのか?ステラの外観は上の標準系とこのカスタムの2種類が用意される |
エンジンは軽自動車用なのに電子スロットルを採用するなど、凝りに凝ったR2の『Rグレード』用ツインカム54馬力(無過給エンジン)とスーパーチャージャー64馬力の2タイプ。絶対的な動力性能は54馬力で何ら問題ないレベル。スーパーチャージャーなら1,3リッター級のコンパクトカーと同等の走行性能を持つ。若干気になったのは、加速時の騒音が賑やかなこと。開発担当者に聞いたら「絶対的な音量はR2より小さいのですが……」。静かなクルマに乗り慣れた人だと気になるかもしれません。
ミッションは前出2つのエンジンに、新開発のCVT(無段変速)を組み合わせている。実用上は全く問題ないものの、スムーズさで熟成された従来型CVTに届いていない感じ。アクセル踏んだ時のエンジン回転の変化に違和感あったりします。ただ伝達効率などの実用性能をキッチリ改善しているそうな。燃費で有利なんだと思う。
インパネの主要部分はR2と共通だ |
オーディオは5万2500円のベースキット(フロアマットやドアバザイザーなど5点セット)をオーダーすると、TVチューナー機能も付く16万4745円のナビセットが7万3500円で購入可能。標準のオーディオは極めて厳しい音質なので、ステラを買ったら絶対装着したいオプションである。ちなみに標準装備のオーディオ、上級グレード用でも極めて厳しい音質。
これまでスバルは「こだわりのあるクルマ作り」を特徴としてきた。そのポリシーのままワゴンRやムーヴの対抗馬を作ってくれば面白かったと思う。ステラに乗ると「スバルらしさ」を感じない。じゃ悪いかと言えば、そんなことありません。もしかすると女性ユーザーにとってはステラのような”当たりの柔らかい”クルマが好ましいのかもしれません。スバルも「スバルのファン」や「クルマ好き」から厳しく評価されることを想定していると思います。