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スバル初の軽トールワゴン「ステラ」試乗記

R2の販売不振は「車高が低かったため」と分析したスバルが、ワゴンRやムーヴと真正面からバッティングするステラをデビューさせた。果たしてどんなクルマなのか?

国沢 光宏

執筆者:国沢 光宏

車ガイド

スバルらしさは薄いが女性ユーザーにはウケるかも

R2の販売不振は「車高が低かったため」と分析したスバルが、ワゴンRやムーヴと真正面からバッティングするステラをデビューさせた。ライバルと同じくらいの車高を確保し、リアにもキチンとした居住性持たせ、さらにベビーカーも余裕で収納できる広いラゲッジスペースまで確保。果たしてどんなクルマなのか?

ステラの外観は上の標準系とこのカスタムの2種類が用意される
室内は開発コンセプトの狙い通り必要にして十分! リアシートにも成人男性が余裕で座れる。ベビーカーを固定するための”ひも”を標準装備するラゲッジスペースだって文句無し。ただR2とシャシを共用化していることもあり、カップルディスタンス(運転席と助手席の距離)がライバルより狭い。男二人で乗った場合のみ狭さを感じるかも。

エンジンは軽自動車用なのに電子スロットルを採用するなど、凝りに凝ったR2の『Rグレード』用ツインカム54馬力(無過給エンジン)とスーパーチャージャー64馬力の2タイプ。絶対的な動力性能は54馬力で何ら問題ないレベル。スーパーチャージャーなら1,3リッター級のコンパクトカーと同等の走行性能を持つ。若干気になったのは、加速時の騒音が賑やかなこと。開発担当者に聞いたら「絶対的な音量はR2より小さいのですが……」。静かなクルマに乗り慣れた人だと気になるかもしれません。

ミッションは前出2つのエンジンに、新開発のCVT(無段変速)を組み合わせている。実用上は全く問題ないものの、スムーズさで熟成された従来型CVTに届いていない感じ。アクセル踏んだ時のエンジン回転の変化に違和感あったりします。ただ伝達効率などの実用性能をキッチリ改善しているそうな。燃費で有利なんだと思う。

インパネの主要部分はR2と共通だ
ハンドリングはスバル車というイメージを持って乗ると「あれれ?」という感じ。全般的に柔らか目。カーブでハンドル切った時のロールも大きい。反面、乗り心地はR2と比べ圧倒的にマイルドになった。スバル車というイメージで乗らなければ、快適という評価じゃなかろうか。スーパーチャージャー搭載モデルも、スポーティさを狙っていない。

オーディオは5万2500円のベースキット(フロアマットやドアバザイザーなど5点セット)をオーダーすると、TVチューナー機能も付く16万4745円のナビセットが7万3500円で購入可能。標準のオーディオは極めて厳しい音質なので、ステラを買ったら絶対装着したいオプションである。ちなみに標準装備のオーディオ、上級グレード用でも極めて厳しい音質。

これまでスバルは「こだわりのあるクルマ作り」を特徴としてきた。そのポリシーのままワゴンRやムーヴの対抗馬を作ってくれば面白かったと思う。ステラに乗ると「スバルらしさ」を感じない。じゃ悪いかと言えば、そんなことありません。もしかすると女性ユーザーにとってはステラのような”当たりの柔らかい”クルマが好ましいのかもしれません。スバルも「スバルのファン」や「クルマ好き」から厳しく評価されることを想定していると思います。
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