サイズアップして使い勝手はオデッセイを凌駕
オデッセイが業界に与えた「低床ミニバン」のインパクトは予想外に大きかったようだ。実際、オデッセイのライバルだったプレサージュやイプサム、グランディスを見ると、もはや一世代前のモデルと思えるほど。売れ行きも伸び悩んでしまう。この流れにすぐさま反応したのがMPV。おそらく現行モデルの開発中に「可能な限り低床化しろ」と方針変換をしたんじゃなかろうか。最近のマツダはレスポンス良い。新型MPVの全高を見ると先代より6cmも低くなっている。一方、車幅が2cmワイドになっているため、先代よりググッとロー&ワイドなイメージ。もはやオデッセイと比べても負けていないくらい乗用車っぽい。
それでいてミニバンの特徴をしっかり残す。オデッセイの場合、乗用車と同じタイプのドアを採用しているのに対し、新型MPVはスライドドア。チャイルドシートを使う子供のいるファミリーにとってみると、やっぱりスライドドアが使い勝手良い。キャプテンタイプになっているセカンドシートの居住性も、エスティマなどの本格的なミニバンに迫る。オデッセイのリアシート、絶対的なサイズからして普通の乗用車と同じなのだ。
もう一つ。サードシートの居住性は、これまたオデッセイというよりエスティマに限りなく近い。つまりステーションワゴンのような外観を持ちながら、使い勝手は本格的なミニバンという、新しい価値観を持つ。