老舗ブランドの歴史は、ジュエリーラバーにとっては一般教養とでもいうべき知識のひとつ。本やインターネットで調べるのもいいけれど、本物にふれることができれば最高です。この秋、ついに日本にやってくる『世界を魅了したティファニー 1837─2007』展は、ブランド創立のころから現代までの名品約200点を間近に見る、またとないチャンス。これまで知っていたティファニーとはまた違った、ドラマティックなティファニーの世界に出会えることうけあいです。

展示会は、「アメリカンジュエラーの夜明け」「夢の殿堂」「夢をかたちに──ダイヤモンド、真珠、虹色に輝く宝石」「華やかな装身具」「自然」「ポールディング・ファーンハムと1900年パリ万国博覧会」「ルイス・コンフォート・ティファニー」「アール・デコ」「ニューヨーク世界博覧会と1940年代」「デザイナーへの回帰」といった10のパートからなる構成。ティファニーの170年にわたる歴史をじっくりと楽しませてくれます。

たとえばルイス・コンフォート・ティファニーのパートを見ていくと、日本ではアール・ヌーヴォーのランプやステンドグラスのデザイナーとして知られている彼が、じつはジュエリーにおいてもすばらしい才能を発揮していたことがわかるはず。サファイアをあしらったインド風のネックレスをはじめ、これまで彼のジュエリーを展示した数としては最大となる30点もの作品が登場します。

ルイス・コンフォート・ティファニー 「ネックレス」
Photo: Jan Van Pak
デザイナー:
ルイス・コンフォート・ティファニー
メタ・オーヴァーベック
1918年頃
金、サファイア、ルビー、
エメラルド、エナメル、シルク
71.1×9.5cm
ティファニー・アンド・カンパニー・
アーカイブ蔵

わたしが大好きなのは、デザイナーのパートで紹介されるジーン・シュランバーゼー。20世紀のジュエリーの歴史にその名が輝く天才です。幻想的な雰囲気を漂わせたバロック風のデザインは、今見てもクール! 彼はジャクリーン・ケネディなど多数のセレブとの交流がありましたが、今回はヴォーグの伝説的編集長、ダイアナ・ヴリーランドのオーダーでデザインした名作「勇者のブローチ」に注目。女性がつけるには勇ましすぎるとも思える古代の戦利品のモチーフですが、ダイアナはこのブローチをとても気に入っていたとのこと。

「ジーン・シュランバーゼー」 「ブローチ」
Photo: Victor Schrager
デザイナー:
ジーン・シュランバーゼー
1941年
金、プラチナ、ダイヤモンド、
アメシスト、ルビー、エナメル
9.8×6cm
ティファニー・アンド・カンパニー・
アーカイブ蔵

珍しいところでは、リンカーン大統領が就任式の舞踏会でつけるために妻に贈ったパールジュエリーと同じデザインのジュエリー、ガラス工芸家のルネ・ラリックが1890年代にティファニーのために作ったブローチも登場。ラリックってこんなこともやっていたのねと、ちょっとびっくり。ティファニー通を気取るなら、この展覧会は絶対にはずせません!

 

■『世界を魅了したティファニー 1837─2007』The Jewels of TIFFANY
会期:2007年10月6日~2007年12月16日
会場:東京都庭園美術館 電話03-3443-0201
開館時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)、第2・第4水曜休館
WEBサイトは、www.teien-art-museum.ne.jp

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