パールは冠婚葬祭でフォーマルにつけるもの、日常づかいにはあまり向かないと思っている人は、少なくないかもしれませんね。でもわたしの宝石箱では、最近なぜかパールが増え始めているのです。一緒に仕事をしているスタイリストさんたちからも「今度、パールを買おうと思ってるんだけど…」と相談されることが多くなってきました。これはきっと、トレンドの'60年代風や'70年代風のモードにパールがしっくりなじむからだと思うのです。ネックレスはもちろんのこと、その昔さんざん流行ったパールのひと粒ピアスも、今はとても新鮮に見えるから不思議です。
右:「ケシ」と呼ばれるアコヤ貝の天然真珠。 |
わたしの持っているパールのなかで特に出番が多いのは、バロック。真円ではなく、形のゆがんだパールです。中でも天然真珠の小さなバロックピアスの出番は、ほぼ毎日。形が不揃いなのでフォーマルになりすぎることもなく、ジーンズやTシャツに合わせたりして気負わずに楽しんでいます。大粒の南洋真珠のピアスもいくつか持っていますが、これらは電話をするときにちょっと邪魔に感じるときがあるので、もっぱら夜のパーティ用といったところ。
白蝶貝のバロックパールで作ったネックレス。 |
南洋バロック真珠を連ねた80cmのロングネックレスも、着用頻度が上昇中です。1連でシンプルに着けるもよし、2連にしてボリュームを出すもよし。パーティが多くなるこれからの季節、活用度はもっと高くなることでしょう。ただ、このネックレスを日常づかいするときは、ピアスやブレスレットなど、他のアイテムは極力減らします。場違いな“ジュエリー着けすぎ状態”になるのを避けるためです。先日、某ファッション誌の編集長が、黒いシャツに黒いパンツ、ダイヤモンドなどのジュエリーは何も着けずに、ただ大粒のパールネックレスだけを襟元に輝かせているのを見ました。パールの日常使いは、こんなふうにさらりとありたいものです。
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