ジュエリー/その他のジュエリー関連

イタリア3都市ジュエリー博物館めぐり-3 ヴェネツィア、サン・マルコ聖堂

連載第3回はヴェネツィアより、《サン・マルコ聖堂》をご紹介。昔日の栄華が忍ばれるこの聖堂の白眉は、数千の宝石を散りばめた黄金の「パーラ・ドーロ」です。さて、パーラ・ドーロとは…。

執筆者:本間 恵子

宝石博物館めぐりの締めくくりは、ヴェネツィアを象徴するバシリカ、《サン・マルコ聖堂》です。金のモザイクをふんだんに使った聖堂の内部は、建物そのものがまるで黄金づくりの巨大な宝石箱のよう。右の側廊に行くと「宝物室(TESORO)」と書かれた目立たない入口がありますので、まずはここから見学してみましょう。

小さな宝物室のガラスケースには、ビザンツの素朴なエナメル画、聖杯、聖遺物容器、十字架などが並んでいます。特に、コンスタンティノープルで作られたという聖ミカエルのイコンは、クロワゾネやシャンルベ(ともにエナメルの一種)、とりどりの宝石で華やかに彩られていて、色の華やかさに目を奪われます。

ただ残念ながら、この宝物室のほとんどの宝石類は模造。オリジナルの石は、抜き取られて別な聖具に転用されてしまったのでしょう。高位聖職者がはめていた大きな指輪も興味深かったのですが、やはり宝石は模造品でした。

 

写真をクリックすると、より大きな画像が見られます。

 

▲左:「聖ミカエルのイコン」コンスタンティノープル、11~12世紀。
金細工とエナメル、多数の宝石で描かれた大天使。
剣を手にしていることから、ミカエルであることがわかります。
優れたエナメル技術が申し分なく発揮された佳品。

右:「ニコポイアの聖母子」ビザンツ、12世紀。▲
私が拝観したときには、このイコンは展示されておらず
聖母子を飾っていたダイヤモンドの宝飾品のみ公開されていました。
Copyrights: Scala/Firenze,1999

Next ≫

(Page : 1 2 3

  • 1
  • 2
  • 3
  • 6
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます