ななめに傾いた小さな文字盤、デザインの一部として見事に取り込まれた尾錠。この腕時計は、アール・デコ・ムーブメント全盛期の頃にデザインされたモデルを復刻したものです。
1936年、すでにトップ・クラスのジュエラーとして名声をほしいままにしていた《ヴァン クリーフ&アーペル》は、南京錠(cadenas)から想を得て、大胆かつ革新的な女性用腕時計〈カデナ〉をデザインしました。無骨な南京錠が、夜会服を身にまとった女性たちの腕を飾るジュエリー・ウォッチに…という、その意外性。“鍵”という秘密めいたモチーフも、当時のスノッブな女性たちの心を十分にくすぐりました。そしてこの腕時計は、アール・デコ期を象徴する名作として広く知られるようになったのです。
《ヴァン クリーフ&アーペル》 |
今回発表された2001年秋冬の新作〈ミス カデナ〉は、オリジナルが持つ力強さはそのままに、レザー・ストラップを使ったやや小ぶりなデザインへとリモデルされ、着けやすさの向上が図られています。とはいえ、この重厚な存在感は何より貴重。冬でもノー・スリーブを着る機会が多くなった今、〈ミス カデナ〉は手もとのスタイリッシュなアクセントとして、最大の効果を発揮してくれるはず。
ピアジェやバセロン・コンスタンチン、ジャガー・ルクルトなど、スイスの名門時計メゾンを多数擁するリシュモン・グループの一員となって、本格的に時計への取り組みを始めた《ヴァン クリーフ&アーペル》。その意気込みが、この新作から伝わってくるようです。
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ヴァン クリーフ&アーペル 電話 03-3569-0716 へ。