成功の秘訣はここにあり!
「習得デザイン」の図。1年生~6年生までの英語習得、付けたい能力についてシンプルでありながらも的確な目標を設定している。 |
新曽小学校の習得デザインは、右の写真のように、定型表現の導入(1、2年生)、定着(3年生)、活用(4年生)、応用(5、6年生)となっています。本格的な英語学習は4年生からという感じですね。
私が見学したクラスは3年生。彼らは1年生から環境インプットによって、英語を日ごろから見て聞いています。3年生になって授業では7回目ですが、使っているフレーズは1年生の時からよく聞いているため、身体に染み付いたリズムでした。教えなくても子どもは学ぶ、というところでしょう。
学・民ジョイントプロジェクトの効果はかなり大きい。
小川隆夫先生は、「子どもたち自身が自分で英語を学ぶ」という姿勢がどんどん育っている様子を見ながら、「成功の条件は、誰でも取り組めるカリキュラム、担任と専門家の協力、きちんとした理論的背景がある教材です。」と言っています。
実際に授業を見学した私も、特別なことは何もしていない授業であることに少し驚きました。これなら英語が苦手と思っている先生たちも気軽に取り組めそうです。こうして、新曽小学校の英語活動は、「皮膚感覚英語」と呼ばれるようになったとか。音とリズムのインプットを中心にして、まずは英語の基礎力を育成。次にコミュニケーションへの「積極性」だけを芽生えさせます。
新曽(にいぞ)小学校が成功と言われるのは・・
ペアになって英語のやりとりを練習する子供たち。笑顔で楽しそうに活動していた。自信があるから、発表したいという気持ちが生まれる。 |
■先生が無理に教えなくても、子ども自身が自分で英語学習に取り組み、仲間同士で教えあい、励ましあい、英語を覚えるコツを発見し、楽しみながら生活の中で口ずさむことができる。
■これができるよう、先生たちが全校インプット活動、環境インプット、音とリズムを繰り返し使う授業をしている。
新曽小学校では7年前から小川先生が中心となり、先生たち自身の手で実践する環境を徐々に整えていきました。その結果、今のような姿があるのでしょう。新曽小学校の英語活動は、全国の小学校から注目を浴びており、見学者も多くなっています。
次回の記事は新曽小学校の英語活動を専門家の立場から支えている松香洋子先生(松香フォニックス代表)の考える小学校英語教育の成功の規準と、新座市の取り組みについてレポートします。
<編集後記>
訪問後、私は、ある小学校の先生が「児童英語の専門家が入ると、理にかなった指導ができる。ぜひ知恵をお借りしたい。」と話していたことを思い出しました。新曽小は、まさにそれを実践している!経験豊富な民間の知識と小学校ならではの日常的な活動がうまく連動している気がします。お互いが配慮し、尊敬し合って協力することが大切なのですね。
関連サイト:
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