頭金がいくらかで購入できる物件価額が決まる
頭金が多ければ、住宅ローンの借入金額が少なくてすむ、という考え方もありますが、実際には、頭金が物件の何割かというよりも、準備できる頭金の額によって、購入できる物件価額が決まると考える方が自然です。つまり、必要な頭金がいくらかは、購入した物件価額の何割というような考え方ではなく、
「頭金」=「物件価額」?「あなたが無理なく返せる借入額」
で計算することになります。
例えば、あなたが無理なく返せる借入額が3,000万円ならば、頭金が用意できなければ予算は3,000万円、頭金が1,000万円用意できれば購入予算は4,000万円となるのです。
実際に必要な自己資金は、頭金に諸費用をプラスしたものです。新築マンション等であれば、物件価額の5%程度、中古物件であれば物件価額の8%程度を諸費用として考えておきましょう。
頭金の割合で住宅ローンの金利が変わる?
頭金がどのくらいあるかどうかは、住宅ローンの審査にも影響されると言われています。金融機関としては、頭金が多い人=きちんと貯蓄ができる人という評価もあるようで、審査においても頭金が多い方が印象は良いでしょう。ただし、頭金ゼロであっても、返済自体に無理がなければ審査は通ることが多いようです。ただし、最近では、頭金が多い人と少ない人とでは、住宅ローンの適用金利が異なるというケースも見られるようになりました。例えば、一部の金融機関では、頭金が2割あれば金利を0.2%低くしています。
保証料がかかる場合、保証料内枠方式(当初一括で支払わず、金利に上乗せする方法)を利用すると、ほとんどの金融機関では金利が0.2%上乗せされます。ここから0.2%引下げられれば、当初の金利と同じ金利に。つまり、保証料分の負担がなくなることになります。
一方で、諸費用分も自己資金からは出せないので住宅ローンで借入れしたい、という場合には、適用金利が高くなる場合もあります。
頭金が多ければ、そもそも総支払額が少なくなるのですが、さらに、金利が低くなれば頭金ゼロの場合との差がますます広がる傾向にあります。
以前は、「頭金は2割を目安に」などと言われていましたが、物件購入価額に対する割合よりも、借入額自体に問題がないかの方が重要です。その上で、頭金をより多く準備できれば、高い物件の購入が可能になったり、住宅ローンの金利が低くなる可能性があるなどのメリットがあります。
頭金がなくとも住宅購入は可能ですが、頭金を準備できなかった理由が貯蓄ができなかったということであれば、貯蓄ができない家計体質を変えることが先決でしょう。住宅購入後も将来のリスクに備えて貯蓄ができることが大切です。