そんなにお金はかかるのか?
目の前の大きな数字に圧倒されないで |
とはいえ、すべての方が高収入とは限りません。それに、これから高齢出産を視野に入れているという方の場合は、実際に経験をしたことがないからこそ、仕事との両立はできるのか、そもそも子どもを育てていけるだけの収入を将来にわたって確保できるのか、ということは気がかりだと思います。
子育て世代へのアンケート回答を見ると、「お金がないから子どもが産めない。育てられないのではないか」というコメントは多いものです。
しかし、「純粋に経済的理由だけで子どもを持つ選択をしなかった」という方に、私は実際にお目にかかったことはありません。確かに、子どもの教育費は安くありませんが、保険会社等がシミュレーションするように、子ども一人当たり約2千万円(私立に通うことも考慮した場合)が掛かるかといえば、そんなことはありません。こうした試算は、衣類や教材をある程度高額なもので揃えた一例であって、節約の余地は十分にあります。また子どもが1人の場合と2人の場合では、まるまる2倍必要ということもありません。目の前の大きな数字に圧倒されて、躊躇する必要はないと思います。
証券会社が10年前から行っている「エンジェル係数=家計支出を100とした場合の子どもにかかる費用の割合」をみると、2007年の場合は、26.2%と過去最低でした。「子どもにお金がかかる」と感じる負担感も多少減少しているそうです。
高い教材を買い与えなくても、親が社会の中で働く姿を子どもに見せることは、単なる知識ではなく、より奥の深い学びが得られると思います。