不動産売買の法律・制度/省エネ住宅ポイント制度(住宅エコポイント)

話題のエコポイント対象「内窓」の落とし穴(2ページ目)

エコポイント「特需」で、住設機器メーカーが売上を伸ばしているなか、マンションなどでは話題の「内窓」が取り付けられないケースも数多く見受けられます。実際のところどうなのでしょうか?

千葉 由里

執筆者:千葉 由里

マンションの買い替え・売却ガイド

高断熱内窓の落とし穴

ところが、実際に、見積もりに来てもらい、現地を採寸したりしながら確認してもらったところ、残念な事実が発覚しました。

高断熱の内窓を設置するには、クレセント部分のスペース確保などから最低でも7センチメートルの設置スペースが必要となるため、窓枠部分に7センチメートルのゆとりがないと設置できないとのこと。また、内側への引き倒し式の窓や、大型ハイサッシの特殊なものなどは設置できないそうなのです。

我が家は7箇所ある窓のうち、6箇所は確実に設置できないことが判明しました。
ちなみに我が家は、壁式工法のマンションで壁厚が30センチメートルあり、通常のマンションより奥行きがあるほうにも関わらず設置できなかったのです。

おそらくほとんどの中古マンションが同じような問題を抱えているのではないでしょうか。とくに中古マンションの場合、そもそも窓サッシが古く、内窓ニーズは高いはずなのに、実際に現地を見てもらったら、つけられないことが判明し落胆したというような声も聞きます。

我が家の場合、ただ1箇所についてのみ、設置できる可能性があるとのことでしたが、その場合窓際に設置してある手すりを撤去しなければならないとのこと。そもそも手すりは建築基準法により義務があって設置しているものなので、撤去したら既存不適格となってしまいます。

結局、すべて全滅。

住設機器メーカー各社にはぜひ、既存の中古マンションをスコープに、少々断熱効率は落ちても柔軟に設置できる新商品の開発を切にお願いしたいものです。
それがひいては中古マンションの市場活発化につながるかもしれません。
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