不動産売買の法律・制度/省エネ住宅ポイント制度(住宅エコポイント)

話題のエコポイント対象「内窓」の落とし穴

エコポイント「特需」で、住設機器メーカーが売上を伸ばしているなか、マンションなどでは話題の「内窓」が取り付けられないケースも数多く見受けられます。実際のところどうなのでしょうか?

千葉 由里

執筆者:千葉 由里

マンションの買い替え・売却ガイド

住宅版エコポイント制度の特需で、内窓設置が増えている

住宅版エコポイント制度の特需で、内窓設置が増えている

エコポイント「特需」で、住設機器メーカーが売上を伸ばしているというニュースが先日流れていました。
今年3月に受け付けが開始された住宅版エコポイント制度の実施後、トステムのリフォーム向けの高断熱の内窓「インプラス」の販売が急速に伸びており、なんと2010年度は前年度比5倍で100億円に売り上げが伸びる見込みとのこと。

前年度の5倍で100億円って、これまたすごい数字ですよね。

さらにガラスの断熱性能を従来品に比べ3割高めたという木造新築住宅向けの新商品も出すとのことで、今後ますます伸びが期待されそうです。

かくいう私も今住んでるマンションに取り付けるべく、見積もり依頼したクチです。実は見積もりのための現地採寸に1カ月待ちました。現地をきちんと確認しないと見積もりが出せないうえ、一か月先まで予約がいっぱいとのこと。よほどニーズがあるんだろうなとは思っていましたが、正直これほどとは思いませんでした。

高断熱内窓の魅力はなんといっても光熱費の大幅削減。家のなかで最も熱の出入りが大きいのは窓とのことで、この窓の断熱性能を高めることが、エネルギー節約につながるそうです。確かに、内窓のついた友人宅のタワーマンションにお邪魔した際、この暑さでも、いったん冷房を稼働させて、部屋が冷え切ったところでスイッチをオフにしても、そのままでしばらく室内の冷えた状態が継続し、うらやましく思った記憶があります。

とはいえ個人的には、何に魅力を感じて1カ月待ってまで見積もりを頼んだかというと、窓辺の結露防止と近隣からの音対策が主な目的でした。

冬の結露に頭を悩まされる

一人暮らしのときは、少々寒くても暖房をフル回転させることもなく、部屋着としてマイクロフリースの上下セットを着るくらいで普通に過ごせていました。ところが子どもが生まれ、家で一緒に過ごすとなると、生後間もない赤ちゃんは体温調節が難しいため、部屋の温度を常に一定に保つ必要が出てきました。

そこで発生したのが結露問題です。

そもそも昨今のマンションは24時間換気が義務付けられ、常に換気がなされているので、結露もできにくいと思われるかもしれません。ところが、換気をしていると、常に空気が入れ替えられ、せっかく暖まった空気も換気されてしまうため暖房効率が非常に悪くなります。部屋を効率的に暖かくしようと思うと、どうしても換気を弱める必要性が生じてきます。そこで発生してしまうのが結露問題。外と中との温度差で、我が家は非常に窓が多い家なのですが、かなりの結露が発生し、すべて毎日きれいにしないと、窓サッシの下部のシール部分にカビが発生してしまうこともしばしばでした。

また、結露の水量も多く、一部はカーテンなどを伝って床フローリングまで浸み出し、窓際の床に醜く水の痕が残ってしまったこともありました。
ちなみに先のタワーマンションの友人宅では結露もほとんどないとのことで、いつしか内窓は私にとって羨望の的となっていたのです。

さて、実際に我が家への内窓設置はできたのでしょうか?次ページに続きます。
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