女の子はお腹の中で既に600万個の卵子の元が作られる
卵子は生まれたときから準備されている
出生後に新たな卵母細胞が作られることはなく、思春期となり、初潮を迎えるころには卵母細胞は30万個程度にまでなりますが、それでも生涯の生殖機能をさせ得るには十分すぎる数です。なお、20~30歳代には10万、40歳をすぎると1万となり、徐々になくなってゆき、閉経を迎えます。
卵胞は3周期もの時間をかけて成熟し排卵します
通常の生理周期では、最初は、卵巣内に約10~20個の卵胞がありますが、これは約0.2mmの二次卵胞が、脳下垂体からの卵胞刺激ホルモン(FSH)の刺激により、2回の生理周期を経て、約70日もの時間がかかってここにたどりついた卵胞です。同じ時期に発育をはじめた卵胞は2000~4000個で、日々、多くの卵胞が発育がとまり、閉鎖卵胞として吸収消失してきました。この10~20個は、ここまで生き残ってきた卵胞です。そして、ここからも、最終的には、ひとつの卵胞だけが主席卵胞として成熟し、卵子として排卵されます。稀に2つ、ないし、3つの卵胞が排卵し、受精、着床して2卵性双胎(そうたい:ふたご)、3卵性品胎(ひんたい:みつご)となる場合はありますが、ヒトは進化の過程で、原則としては単一排卵の仕組みを獲得しました。
排卵された卵子が受精し、子宮内膜に着床することで妊娠が成立
卵巣から腹腔内へ排卵された卵子は、卵管の先端のイソギンチャクのような突起物である卵管采にうまくピックアップ(キャッチ)され、卵管膨大部へと入ります。 この時期にタイミング良くセックスが行われると、腟内に射精された精子は、子宮頚管、子宮体部から二手にわかれる卵管を進みます。1回で8000万~3億の精子が射精されても、排卵された側の卵管膨大部にまで到達できる精子は、数10~数100(百万分の1)でしかありません。そして、そのうち一つの精子だけが、卵子の中に入ることができ、卵子の核と精子の核がくっつき、ひとつの細胞になることを受精といいます。排卵の2日前が受精の可能性が一番高い
卵子の受精可能期間は12~24時間、精子は3~5日くらいと考えられています。そうすると、理論上は排卵の5日前から1日後までが、受精が可能な期間となります。これまでは、排卵日にセックスをするのが、一番タイミングがいいと信じられてきましたが、今は、排卵日の2日前から前日が一番受精の可能性が高いことがわかっています。排卵したときに、そこに精子が待っているのが理想なのです。受精だけでは、まだ妊娠とは呼びません。受精した卵子は受精卵(0.1mm)となり、分裂をくり返しながら、10cmにおよぶ卵管を子宮に向かって少しずつ移動を続けます。受精から1週間ほどで子宮にたどりつき、子宮内膜に着床(ちゃくしょう)します。この着床をもって、妊娠が成立します。
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