歌舞伎町の廃校小学校が吉本の本社に!
吉本興業本社のエントランス。社名をみなければ小学校のまま
そもそもは「新宿区における大衆文化の振興」について吉本興業と区が協定を締結したことに始まります。吉本興業は大阪が拠点であり、東京拠点は神保町にいくつものビルを借りていたそうですが、お笑いブームにより社員も急増。複数のビル・フロアに散在していたオフィス機能を1か所に集めて本社拠点を作ろうとしていたところに今回の話が来ました。
教室間の壁を取り払って構造柱のみ残し、広いオフィス空間に。
古き良き校舎の躯体は耐震補強しつつそのまま残し、中の教室の壁は抜いて広いワンフロアに。校舎ならオフィスビルより広いワンフロアが実現するため、「それまで同じ会社の社員に会いに行くのに、ビルとビルを縫って行ったり、せいぜい1日見られるのは数十人程度でしたが、このワンフロア校舎オフィスで簡単に1日100人の社員の顔が見られるようになりました」(林氏)。
「傷がいとおしい」という感覚
オフィス光景。ワンフロアだから1日に何百人と社員の顔が見える環境に。
「新車や新築は、真新しいところが出発点のため、どうしても傷ついていくだけ。そして新しいから傷が目立って気になる。でも古いものは傷があっても気にならないし、傷をつけてもいちいち気にせずに済む。むしろ『これって以前の小学校の子どもたちが傷つけたのかなぁ』と歴史や愛着を感じる」(林氏)とも。
校庭だったところは、吉本芸人による歌舞伎町街おこしイベントにも。
地震対策で危機感を持つことは大切ではありますが、どうしても暗く後ろ向きイメージがつきまといがち。エコも楽しくなくちゃ続かないように、耐震も“楽しみながらやる”という姿勢の必要性を今回のフォーラムでは示唆しているように感じました。
※9/12まで目下、東京都による「耐震キャンペーン」が開催中。お近くの方はぜひ足を運んでみては?