今回はツーバイフォー住宅に関する工法研究です。ご存じの方も多いと思いますが、ツーバイフォー住宅はアメリカやカナダといった北米発祥で、日本にその技術が輸入され供給が始まったのは1974年。35年ほどの歴史があり、すっかり定着しました。ツーバイフォー住宅が普及する過程で、日本の住まいのデザイン性の進化にも大きな影響を与えました。

6面体で構成される基本構造で耐震性を確保

まず、ツーバイフォー住宅の特徴を確認しましょう。それは壁体を組み合わせて建物を形づくること。別名を「枠組壁工法」といいます。構造用木材で作られた枠に構造用合板を貼り付けた「パネル」で、壁と屋根、床を構成する6面体が基本構造です。

構造躯体
実物大のツーバイフォー構造躯体。パネルを接合することによって構成されているのがわかる。この建物では円柱状のデザインも採り入れられている(写真は三井ホーム)
壁・屋根・床のパネルは、専用の釘や金物で接合されます。これにより一体の構造体(モノコック構造)となるため、大規模な地震や台風の力を建物全体で受け止め、一点にではなく、分散させる仕組みとなっています。

パネルは工場で生産されます。それを建築現場で組み上げる方式ですから、現場の作業では特殊な作業が必要なく、作業効率も優れています。何事にも合理性を追求する北米らしい工法といえそうです。

日本においては35年ほどの歴史ですが、北米ではツーバイフォーの原型となった工法を含めれば100年以上の歴史があります。日本にも明治に建てられた建物として、例えば札幌時計台などがありますが、これもツーバイフォー工法の原型となった工法で建てられています。

世界に普及しているツーバイフォー住宅

ツーバイフォーは「オープン工法」。オープン工法とは、特別な許可や技術が無くても建てられる工法のことで、木造軸組工法もこれにあたります。これとは対照的に「クローズド工法」というものがあり、これは主にプレハブ工法を指します。プレハブ住宅は、工場生産が大前提で、その生産方式は特殊なので、技術が一般に公開されていないのです。

韓国のツーバイフォー住宅
ツーバイフォー住宅は世界各地に普及しているのも特徴。写真は住友林業が韓国・ソウルで建てたツーバイフォー住宅
ツーバイフォー住宅は現在、オーストラリアや中国、韓国、イギリスなどに普及が広がっています。これが何を意味するかというと、ツーバイフォー工法は、ワールドスタンダード、世界基準の工法であるということです。

極端な話ですが、仮に日本のハウスメーカーが全て無くなっても、ツーバイフォー住宅であれば、どの国の業者でもリフォームなどの手入れができてしまうということです(もちろん設計図などがないと危ないことですが)。

ここまでは、簡単にツーバイフォー住宅の基本的な特徴を紹介しました。次のページではデザインの話を中心に書いてみたいと思います。