東日本大震災のような大災害が発生した時、ハウスメーカーはユーザーに対してどのような対応をしてくれるのでしょうか。それについて知ることは、ハウスメーカーに住まいづくりを依頼する「価値」を推し量ることになると思われます。過去の災害を中心に取り組みの様子を確認してみましょう。

三井ホーム記録

三井ホームがまとめた「阪神淡路大震災 2×4住宅 3568棟の記録」。全棟調査の実績が、その後の商品開発や技術開発につなげた

今、私の手元に三井ホームの技術開発研究所が発行した「阪神淡路大震災 2×4住宅3568棟の記録」という冊子があります。三井ホームが設計・設計した住宅(アパートも含む)を全棟調査した記録です。

これによると、三井ホームは1995年1月17日の地震発生当日に本社と現地に緊急対策本部を立ち上げ、全社的な対応をスタート。約70日と延べ3000人の関係者によって、全棟のローラー調査を行ったとされています。

対象地域は東は兵庫県尼崎市、西は明石市にまで広がり、通信や交通が寸断されているなか、ユーザーの安否や建物の被災状況を確認。結果として全棟に全壊、半壊、人命に関わる重大な被害がなかったこと、それが2×4住宅の耐震性の高さを裏付けていたことが報告されています。

ただ、地割れや地盤崩壊、液状化、隣家の倒れかかりといった躯体強度に関係しない要因で被害がった223棟に対し、建物詳細調査を行い、ユーザーに対処提案をし、うち103棟については補修工事などの必要性がある特別対応物件としたそうです。

阪神淡路では全棟調査したハウスメーカー

積水ハウス

ハウスメーカーは大災害発生直後から様々な支援活動を展開している。写真は、東日本大震災の発生にあたり静岡工場から支援物資を送る様子(積水ハウス提供)

記録では現地調査の苦労の様子なども紹介され、「1軒のお客様の訪問に半日かかってたどり着ければいいほう」などと、記録にはコメントされています。また建物がどのような状況で、どのような箇所に、どれくらい被害にあったかなどが詳しくまとめられてます。

今回、たまたま手元にあった三井ホームの記録をご紹介しましたが、阪神淡路大震災直後、ハウスメーカーの多くが同じように被災地域の全てのユーザーの安否確認をし、建物の被災状況を調査していました。

現在でこそ、「いつまでもお客様の面倒を見ますよ」というのが業界全体のスタンスですが、当時はまだ、点検や保証の体制がしっかりしていなかった時期。しかも大震災という非常時に、全棟調査をしたという実績は、それぞれのハウスメーカーの信頼性を証明する出来事でした。

阪神淡路大震災後、新潟県中越地震など様々な災害が発生しましたが、その都度ハウスメーカーでは同様のことを続けています。では、今回の東日本大震災ではどうでしょうか。次のページで確認しましょう。