すべてのエネルギーを電気でまかなう
オール電化マンションとは、給湯や調理にガスを使わず、すべてのエネルギーを電気でまかなうマンションのこと。具体的には「自然冷媒(CO2)ヒートポンプ式電気給湯機」(いわゆるエコキュート)や、IHクッキングヒーターなどを設置した物件です。もちろん、エアコンや床暖房などの冷暖房も電力を使用します。2000年代に入ってマンション用のエコキュートが開発されたことに伴い、オール電化マンションも増えています。例えば東京電力のサービス区域内では、エコキュート採用のオール電化分譲マンションが、2002年度の初登場から2008年度には累計で428棟に伸びているそうです。
夜間電力で電気代を大幅に節約
ではオール電化マンションにはどんなメリットがあるのでしょうか。まず挙げられるのが光熱費の安さです。エコキュートなど夜間にお湯を沸かして貯めておく給湯機を利用する場合、夜間の電気料金が大幅に安くなる料金プランを使うことで電気代を節約できます。さらにオール電化住宅の場合は電気料金を一括で割り引くプランも利用できます。これらの割り引きの適用により、一戸建ても含めたオール電化住宅の光熱費の平均は月々1万2,285円だそうです(東京電力サービス区域内の2009年度の実績)。マンションによっては都市ガス併用に比べて光熱費を4割近く削減できるとうたっているケースもあります。
掃除がしやすく安全なIHクッキングヒーター
IHクッキングヒーターは火を使わないので空気も汚れにくいという
炎が上がらな いので火災の心配が少なくなる点は、子どもや高齢者のい る世帯には安心で しょう。オール電化住宅向けに火災保険の保険料を割り引く保険会社もあります。電磁波を心配する人もいますが、国際基準を大きく下回っており、健康に害を及ぼすことはないというのが電力会社の見解です。