実例4:幼稚園の体制が母親同士のトラブルを誘発
親を無視した園の強引なやり方がトラブルの種に(Dさん:40歳)
ごく稀なこととは思いますが、「幼稚園側のワンマンな体制」が母親同士のトラブルを誘発する、という例もあるようです。この春、子どもが卒園したばかりというDさんは「ワンマン園長の一言一言に振り回され、謝恩会の準備が大変だった」と打ち明けます。
「基本的には親の出番は少ない園です。逆に、園長は“全ては園に任せてもらう。母の会は、園の手伝いをするための組織”と言い切っていました」
謝恩会の準備で役員どうしが一緒に進めていかなければならないのに、そのように母親どうしが連絡を取り合うことさえ「極力避けるように」と言われていたそうです。
「連絡網も、園からの連絡以外に使ってはダメ。2年ほど前まで通例だったランチも、原則禁止。お便りなどを渡す為のコピー代などの集金も御法度。これでは、母親同士がコミュニケーション不足でうまくいかなくなるのは当たり前です」とDさん。
謝恩会のやり方も、「役員の好きなように」、「やっぱり例年通りで」などと園長の方針が二転三転したため、役員たちは混乱状態に。その中で、役員の母親間での「ちょっとした言い方」がカチンと来た人が声高に「あの人にこんなひどいことを言われた! どう思う?」と触れ回っていた……などという事態に。
結局、謝恩会は例年通りに行われ、ウワサ話は「言っていた人のほうが大げさだよね」という話になり、無事に卒園することはできました。が、「どうしても後味の悪さが残りましたね」というのがDさんの実感です。
本来、父母会は園の「下働き」ではなく、園と協力し合いながら子どもの園生活をよりよくしていくべきもの。園と親たちとの関係がうまくいっていなければ、親どうしの付き合いも難しくなります。親同士の付き合いがうまくいくかどうかは、園側の姿勢にもかかっていると言えるでしょう。
また、そのような中Dさんは「園以外の友人たちに話を聞いてもらえたのが救いでした」と言います。園内で多少トラブルがあっても、「自分にはこの幼稚園以外の世界がある」と思うことができれば、乗り切っていけるのかもしれません。
まとめ:関わりを避けるのではなく
今回、何らかのトラブルを経験した方4人にお話をうかがいましたが、印象的だったのは「それでも、親どうしの付き合いで得るものは大きかった」と、異口同音に語ってくれたことです。
Aさんは「上の子の時に一緒のクラスだったママたちとは今でも仲が良くて、たまに会ってお茶をしたりと楽しい時間を過ごしています。確かに難しい点も多々ありますが、上手に付き合って園生活をエンジョイしたいものですね」と言います。
Bさんも「いろんなトラブルを乗り越えていくことで人間的に成長できるのでは、と思います。ママ同士のトラブルを避けることばかり考えるのではなく、自分が成長できるいい機会だと考えるといいのではないでしょうか」と締めくくってくれました。
- できないことは「できない」とはっきり言う。
- 他人の状況への配慮と思いやりを忘れない。
- 必要以上に他人に振り回されず、マイペースを守る。
- 園以外の「居場所」を確保しておく。
どれも人付き合いのごく基本的な部分ですが、そこに「子どものため」という要素が加わると、時には混乱してしまうこともあるのかもしれませんね。正解はありませんが、今回の体験談がみなさんの参考になればと思います。
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