保育園か幼稚園か……教育に取り組む幼稚園に通わせた方が賢く育つ?
幼稚園・保育園の違いについて関心を持つ親も多いです。制度の違いなどについては、色々な場で話題になっており、理解されている方も多いと思います(詳しくは「保育園は何歳から何歳まで?幼稚園との教育・費用・時間などを比較」でも解説)。今回、小学校の教員を長く勤めていた経験から幼稚園・保育園の違いと子どもの育ちについてまとめました。<目次>
育ちの違いは、幼稚園か保育園の違いよりも親の違いの方が大きい
幼稚園・保育園はそれぞれ目的などの差から、様々な違いがあります。それらが子どもの育ちに影響を与える部分も確かにあるでしょう。よく耳にするのは「教育に取り組む幼稚園に通わせた方が子どもが賢くなるのでは」というものです。しかし、小学校で子どもを受け入れていた立場からすると、幼稚園に通っていたか、保育園に通っていたかの違いは大きいとは言えない、それよりも親の違いの方が大きいと感じていました。幼稚園・保育園のどちらの園に子どもを通わせていても親がしっかりとしていれば、子どもはそれなりに育ちます。逆に一般的に良いとされる幼稚園・保育園に子どもを通わせていたとしても、親の関わりが不適切であれば、子どもの育ちが上手くいかないということはよく見られます。
幼稚園か保育園の違いより、その園の特色の違いが大きい
幼稚園・保育園のそれぞれの園の特色は子どもに大きな影響を与える
しかし、幼稚園・保育園の場合は私立の園も多く、それぞれの園の特色があります。私立の場合、経営という面も重要であり、入園者を確保するために他との違いを打ちだそうとする園も多くなっています。
「自然との触れ合いを大事にし、野山を駆け回ることを大事にする園」
「異文化との触れ合い、英語でのコミュニケーションを大事にする園」
「器械体操に力を入れ、全ての子どもが逆立ちができ、とび箱がとべることを目指す園」
「自主性を重視し、それぞれの子どもが自分の取り組みたいことにとことん取り組ませる園」
このように園によって様々な特徴があります。こういった違いが子どもの育ちに影響を与えることもあるでしょう。しかしどれかが正しく、どれかが間違っているというものではありません。大切なのは、通う園の特色と子どもの個性(性格など)が合うかどうかということです。
園の特色とその子どもが合わなかった場合、残念ながら良い育ちには繋がらないことが少なくありません。入園するにあたっては、その園の一般的な評価も大事なのですが、園の特徴が自分の子どもの特性(性格)と合っているかどうかを考えることも重要になります。
幼保小の接続では、どちらにも良さがある
幼稚園の卒園者、保育園の卒園者はそれぞれの特徴から違いが出てくる部分もあります。例えば、幼稚園の卒園者は大きな集団に慣れているという特徴があります。幼稚園の方が規模が大きい場合が多いからです。一方、保育園の卒園者は「給食」に慣れているという特徴があります。実は「給食」は、小学校入学時、子どもがつまずきやすいポイントの1つでもあります。また、小学校入学後、学童保育に通わせる際、保育園卒園者の方がスムーズに慣れていく場合が多いようです。
幼稚園であれ保育園であれ、子どもが苦労しそうなポイントがあれば、親が先回りでケアできるような状況を作ることができると良いでしょう。
例えば、子どもにとって不安・トラブルとなりやすい「給食」について、子どもが苦手なもの(野菜など)をプランターで一緒に育ててみるといったことで、少しでも小学校の給食に慣れるような取り組みをしておくことが大切になります。子どもと一緒に料理をしてみることも良いかもしれません。このような親の心がけが子どもの小学校における不安を少しずつ取り除いていくことになります。
親が気を配ることで育ちに大きな差が出る
親が気を配ることで子どもの育ちが違ってくる
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