昭和35年2月23日、美智子さまは男の子をご出産になり、浩宮徳仁親王殿下と命名されました。

民間から皇室に嫁がれたというだけでも前例のないことでしたが、美智子さまご夫妻はご出産と育児に関しても、お子さまの将来を考え、数々のご提案や改革を重ねられました。

まず、今までなら皇居御殿内の御産殿で出産されるべきところ、それまでの慣習を破って皇居内の宮内庁病院でのご出産を望まれました。皇族としては初めての「母子手帳」も、美智子さまのご希望で渋谷区役所から交付されました。

また、母乳不足に備えて、二人の乳母を常時待機させていたのを廃止して、もし、母乳が足りなければ一般家庭と同じように人工栄養で養育することを選ばれました。

そして、最大の改革は、専任の養育係を置かずにご夫妻が直接ご養育にあたられるという画期的なものでした。それまでは皇室の習慣として、幼児期はしかるべき臣下のもとにあずけて養育されることになっていました。

慣例を見直していくご夫妻のお考えは、広く国民にも共感をもって受け入れられました。

そんな美智子さまが作られた「ナルちゃん憲法」からいくつか抜粋して美智子さまの教育方針をご紹介しましょう。

「コップに少しだけビンから注ぎ『ナーイにしてちょうだい』と言うと一生懸命飲んで『ナーイ』と見せてくれます。また少し足します。」

===子どもにできることの喜びを与える===

浩宮さまは生まれたばかりの頃牛乳が苦手でいらっしゃいました。食べ物の好き嫌いをなくすことが、子どもの心身の発達に大切だとお考えの美智子さまが取られたのが「ナーイ」作戦です。

コップにいっぱい牛乳を入れて、「さあ、これを飲みなさい。」と、子どもに強制すれば、子どもはそれを拒否して、ますます牛乳嫌いになってしまうでしょう。これくらいなら飲んでみようと、その気にさせたのが「ナーイ」作戦というわけです。

「食器がからにできると『ナーイ』と言って、とても自慢そうです。『ナーイ』になったら、たくさんほめてあげてください。」

子どもの達成感を大切にし、できることの喜びを教えていらっしゃることが分かります。

子どもに目標を与える際、目標は高くとは言っても、到底できそうもない目標では子どもはやる気をなくしてしまいます。また、目標が低すぎてもやる気をなくしてしまうので、目標を設定するのは難しいことです。

子どもによっても少し高い目の目標が適当な場合やかなり高い目の目標が適当な場合もありますので、日ごろから子どもと一緒に遊ぶ機会を多く持つなどして、子どものことをよく理解した上で、その子に合った目標を決めたいですね。