ボランティアはお金をもらってはいけない?
無償が原則。でも、有償ボランティアもあるボランティアが対価を求めない無償の行為であるべきか、それとも場合によっては有償であってもボランティアと呼んでいいのかについては、常に議論がわかれ、明確には答えにくい問いです。
もちろん、「今日、終わらなかった分は、ボランティア仕事で頼みます!」なんていうのは論外ですが、原則としては、交通費などの実費を受け取ることはあっても、精神的な報酬を得るための無償の活動、それがボランティアと考えます。
でも、すべてのボランティアが無償かといえば、そうではありません。謝礼的な意味合いの報酬を受ける、有償ボランティア制度を取り入れている団体もあります。
たとえば、家事援助や介護などの現場では、無償では利用する側が遠慮してしまったり、お礼にと高価なものを渡されてしまったり、ということが起こりがちでした。ボランティアに行ったはずなのに、これではかえって相手に負担をかけてしまいます。こういった場合、もし、わずかな額でもサービスに対する対価が決まっていれば「謝礼はいただいていますので」と、ボランティアをする側もされる側も不要な気遣いを取り払うことができ、活動しやすくなるというわけです。
ただ、その一方では、謝礼程度のお金を受け取ることが、ボランティアという名の「安上がりな労働力」として悪用されるのではないか、と懸念する声もあります。ボランティアが無償の行為であるべきか、場合によっては有償であってもボランティアと呼んでいいのかについては、なかなか結論の出ない問題なのです。
金銭的な報酬の代わりに、エコマネーなどの地域通貨や、「時間預託制度」を取り入れるなど、お金以外のもので支給を受ける場合もあります。時間預託とは、活動時間を貯金する時間の貯金のこと。将来、介護やケアが必要になったときに、ボランティア活動の提供をしてもらえます。これも有償ボランティアのひとつの形です。また、有償ボランティアとは別に、NPOやNGOの常駐スタッフは、仕事として行っているため、多くは給与が支払われています。