税金/家や土地にかかわる税金

転勤とローン控除の複雑な関係

住宅ローン控除は原則として年末まで住み続けている年でないと適用を受けることができませんが、あくまで原則としてはということ。つまり、しっかり例外があるのです。持ち家希望派の転勤族は、要チェック!!見逃すと損しますよ。

田中 卓也

執筆者:田中 卓也

税金ガイド

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念願のマイホームを手に入れたのに

念願のマイホームを手に入れたのに

念願のマイホームを購入し、住宅ローン控除で所得税を取り戻してホクホクしているところに転勤の辞令が・・・・。なんて人、けっこういるのではないでしょうか?
私の知人にも3年毎に転勤を繰り返し、日本全国を転々としている人がいます。大変だなーと思う反面、仕事柄転勤の可能性がない私などは、1回くらい転勤も経験してみたいな、とうらやましく思うことも、ないわけではありません。

こういう人はあまり自宅を買おう!という気にならないと思いますが、あまり転勤がない人は、金利も低いし不動産価格も下がってきているので、思い切って買うか!と決断されるケースもあるのではないでしょうか?

住宅を買った途端に転勤辞令が

しかし、会社の人事は非情なもの。そんな矢先に転勤の辞令が・・・。さて、そんなときの住宅ローン控除の取り扱いは、どうなっているのかというと、家族が残る「単身赴任」と「単身赴任以外」でまったく異なります。

単身赴任の場合の住宅ローン控除

「単身赴任」の場合、基本的に住宅ローン控除の適用を継続することができます。つまり、勤務先からの転勤辞令その他、やむをえない事情による場合です。この場合、配偶者や扶養親族とその他生計を一にする親族と日常の用に供していない場合でも、その家屋に引き続き、親族だけで居住を続け、そのやむをえない事情が解消し、その後、再び家族と同居することになる場合には、単身赴任期間も含めて、今まで通り税金の控除が認められることになります。

家族まるごとの住宅ローン控除

ところが、家族ごと引っ越してしまう場合は、居住年以外の住宅ローン控除を受けることはできなくなります。住宅ローン控除の要件のひとつに、「取得してから6ヶ月以内に居住を開始し、かつ、年末まで引き続き居住しなければならない場合」
とあるからです。

考えてみれば恐ろしい話で、年間数十万円の税金還付の特典がまったくなくなってしまうわけです。転勤の可能性がある人は、資金計画を考えるときに十分注意しましょう。

国内転勤と海外転勤ではどう違う?

さて、自分は「単身赴任で行くから大丈夫」といって安心するのは早計です。実は単身赴任でもローン控除が継続できるのは、国内転勤に限られるのです。海外転勤については、非居住者扱いとなるので、たとえ単身赴任であっても赴任中には控除を受けることはできません。

再度、控除が復活するのは無事帰国してからということになります。考えてみれば、復活するだけマシですが、控除の期間(2009年に入居した場合には、10年間控除が受けられます)が延長されるわけではないので、転勤期間が1年延びるごとに控除期間が1年ずつ減っていきます。

住宅を貸している場合には

なお、転勤期間中にその住宅を貸している場合の住宅ローン控除の再適用には注意が必要です。転勤期間が明けた年分から、住宅ローン控除の再適用が開始されるわけではなく、翌年からの再適用となります。つまり、控除期間が10年間の人が7年目に帰国し、7年目の年末は日本に在住していたとしても、住宅ローン控除の再適用は8・9・10年の残り3年間となるのです。

転勤が多い人で、住宅ローン控除の皮算用をしている人は注意してください。


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