では、税務上売り上げの計上基準はどこなのでしょうか?
この論点だけで専門書が何冊もでているほど奥が深い問題なのですが、総論をひとついっておくと「役務の提供」時点となります。
ひらたく言うと「仕事を行ったのはいつなの?」という基準です。
図でいうと設計事務所であれば図面を書いたときになりますし、建築業者であれば、原則引渡した日となります。
しかし、現実問題としてどうでしょう。
「仕事を行ったのはいつなの?」と問われても、設計事務所であれば、図面を引き渡してもプランが変更されることもあります。そうなれば設計図の書き直しが要求されるはずです。
また、建築業者であれば、引渡した以後に追加工事が要求されることも多いはずですね。
このラインの線引きが「曖昧で、かつ、恣意的(平たくいうと身勝手)」だったりすると、税務当局はそのファジーな部分をついてくるのです。
対応法はどうすべきか?
金額が大きくなればなるほど必ず「契約書」を締結しておくことです。
そこには
・ 作業内容
・ 作業期間
・ 金額
・ 代金に支払い時期とその方法
などを明示しておくことを勧めます。
そのような契約書があれば、相手方との合意に基づいた経営上の問題ということもできますし、資金繰り的な観点からみれば、そうしておくことで依頼する側・される側の金銭的な準備もあらかじめできます。
さらに、今日の論点の<売り上げの計上漏れ>という観点からみればこういいた契約書を根拠に「仕掛り計上」をしておいたほうが安全です。