個人事業主の収入なんて誰もわからないのでは

6月に政府税制調査会が出した報告書のなかで最も、物議を起こしているサラリーマンの給与所得控除の見直し案。
本来の税制のあり方云々の議論の前に「取りやすいところから取ろうとしている」とか「そもそもサラリーマンだけが収入がガラス張りではないか」というところに不満が巻き起こっているようです。

では、本当にサラリーマンだけが「収入がガラス張り」なのでしょうか。
検証してみました。

サラリーマンの「収入がガラス張り」という根拠


サラリーマンであれば、確定申告を行わず通常は年末調整で税務手続きは完了します。
ここで、問題となるのはその時に発行される源泉徴収票の取り扱いです。
この源泉徴収票、所得者本人に給与の支給明細などとともに渡されるのはもちろんのことなのですが、実は、ある一定以上の年収の人は法定調書の合計表という書類とともに税務署にも送られているのです。
また、給与支払報告書と名前を変えて(書かれている内容は源泉徴収票と同じ)所得者本人の在住している市区役所や町村役場にも送られています
つまり、あなたがどのくらいの収入があったかということは税務署も市区役所も知っている ということになるのです。

これが、サラリーマンの「収入がガラス張り」という根拠なのです。

個人事業主の収入はいい加減??~執筆業の場合


では、個人事業主の収入はみんなテキトーに計上しているのでしょうか。「この程度だったらワカラナイかも、見なかったことにしようっと」なんてこと可能なのでしょうか。
まずは、執筆業の場合です。

支払調書という書類が発行される


所得税法204条のなかには支払う段にあたって源泉徴収しなくてはいけない取引が明記されています。そのなかのひとつに原稿料があるのですが、年間5万円を超える場合だと、支払調書の発行が義務づけられています。
この支払調書という書類。サラリーマンの源泉徴収票のようなもので
・ この人に支払った報酬は〇〇円ですよ
ということと
・ その際に差し引いた源泉徴収税額は〇〇円です
と、支払った側が証明する書類
なのです。

この支払調書という書類も、原稿の執筆者に送られるのと同様、税務署にも送られています。
したがって、ライターのような個人事業主は収入金額と源泉徴収税額が税務署に捕捉されている ことになるのです。