一定の要件を満たせば、年金所得者は確定申告が不要。ただし所得控除が受けられる人は確定申告を

年金は、所得税や住民税の課税対象です。雑所得として申告しますが、年金の種類によって「公的年金等の雑所得」と「その他の雑所得」に分けて計算します。厚生年金や国民年金、旧共済年金、一定の外国年金などが「公的年金等の雑所得」、保険会社等から支給される個人年金や互助年金などは「その他の雑所得」に当たります。

 
確定申告 年金 還付金

一定の要件を満たせば年金所得者は確定申告が不要に


公的年金のうち、障害年金や遺族年金は非課税扱いですので申告不要です。また、その年の公的年金等の収入金額の合計が400万円以下で、かつ、公的年金等以外の所得金額が20万円以下である人も申告不要です(=年金受給者の確定申告不要制度)。ただし、外国年金はこの制度の対象外ですので注意しましょう。
 
この制度の対象者であっても、公的年金等から源泉徴収されている人で各種の所得控除を受ける人(例えば扶養控除のある人や控除されていない社会保険料がある人、生命・地震保険料控除、医療費控除などを受ける人)は、源泉徴収された所得税の一部が還付される可能性が高いので、確定申告をする方向で考えるといいでしょう。

なお、所得税の確定申告は不要でも、住民税の申告が必要な人(例えば、公的年金等の雑所得以外に所得がある人)もいます。住所地の市区町村に問い合わせましょう。
 

年金の確定申告時に注意すべき所得控除は4つ

年金の確定申告をする人で、70歳以上の人は次の4つの所得控除に注意してください。

配偶者控除
控除額は38万円ですが、その年の12月31日の年齢が70歳以上の配偶者については、控除額が10万円アップして48万円となります(いずれも、控除を受ける納税者本人の合計所得が900万円以下の場合)。

障害者控除
本人や扶養配偶者、扶養親族に障害のある場合には、障害者控除27万円(特別障害者の場合は40万円、同居特別障害者の場合は75万円)が適用されます。認知症やペースメーカー装着など状態によっては適用可能です。

社会保険料控除(後期高齢者医療制度に属している人)
後期高齢者医療制度の保険料は、被保険者一人ひとりに対して保険料を計算し、原則として公的年金から引き落とします(=特別徴収)。

しかし、市区町村等へ一定の手続きを行い、年金からの特別徴収に代えて、「口座振替により保険料を支払った場合には、口座振替によりその保険料を支払った人(被保険者又は被保険者と生計を一にする配偶者その他の親族に限る)に社会保険料控除が適用されます(国税庁「No.1130 社会保険料控除」Q7より一部抜粋)。
 
配偶者の保険料が特別徴収の場合は、世帯主が口座振替で支払い社会保険料の控除額を増やすことを検討しましょう。

■寡婦控除・ひとり親控除
寡婦は27万円、ひとり親は35万円の控除が受けられます。それぞれの要件は次の通りです。なお、寡夫控除はひとり親控除に変わりました。要件を満たす妻は、忘れずに申告しましょう。

<寡婦の要件>
次の要件を満たす人で「ひとり親」に該当しない人。
  • 夫と離婚した後再婚していない(事実婚を含む)人で扶養親族がおり、合計所得金額が500万円以下の人
  • 夫と死別した後、再婚していない人(事実婚を含む)や夫が生死不明の一定の人で、合計所得金額が500万円以下の人。扶養親族の要件はない。
<ひとり親の要件>
婚姻(事実婚を含む)していない人や配偶者の生死が明らかでない人で、合計所得金額が500万円以下であり、かつ総所得金額等が48万円以下の生計を一にする子がいる人。

確定申告は、初回は大変かもしれません。しかし年金の確定申告の場合、2回目以降は大部分が同じです。変わるのは、本人が65歳になったときや配偶者が70歳になったときなど年齢の節目のときです。

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