年金は「雑所得」に分類される!確定申告は必要?

年金は、雑所得として申告しますが、年金の種類によって「公的年金等の雑所得」と「その他の雑所得」に分けて計算します。
 
一定の要件を満たせば年金所得者は確定申告が不要に

一定の要件を満たせば年金所得者は確定申告が不要に


●公的年金等の雑所得
国民年金や厚生年金、共済年金と職域加算、恩給、国民年金基金、厚生年金基金、確定給付企業年金、確定拠出企業年金、一定の外国年金などがこれにあたります。

一定の外国年金とは、日本が社会保障協定を結んでいる相手国(例:アメリカやカナダ、イギリス、ドイツ、フランス、スペイン、ベルギー、オーストラリア、韓国など)に申請して受給する海外年金です。

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●その他の雑所得
原稿料や講演料、印税、内職の所得のほか、生命(共済)保険契約等の契約に基づいて保険会社などから支給される「個人年金」、互助年金などが該当します。
 

年金の確定申告の必要書類

使用する確定申告書は、収入が年金や配当所得、一時所得、給与所得だけで予定納税額のない人は申告書Aを、それ以外の人は申告書Bを使います。
 

一定の要件を満たせば年金所得者は確定申告が不要に

年金所得者は必ず確定申告をしなければいけないのでしょうか。いいえ、そんなことはありません。障害年金や遺族年金は非課税扱いの年金ですから、これらは申告不要です。

また、その年の公的年金等の収入金額の合計が400万円以下で、かつ、公的年金等以外の所得金額が20万円以下である人も申告不要です(=年金受給者の確定申告不要制度)。ただし、外国年金はこの制度の対象外ですので注意しましょう。

この制度の対象者であっても、公的年金等から源泉徴収されている人で各種の所得控除を受けられる人(例えば控除されていない社会保険料がある人や生命・地震保険料控除、医療費控除などを受ける人)は、源泉徴収された所得税の一部が還付される可能性が高いです。確定申告をする方向で考えるといいでしょう。

また、所得税の確定申告は不要でも、住民税の申告が必要な人(例えば、公的年金等の雑所得以外に所得がある人)は、住所地の市区町村にどうすればいいのか問い合わせましょう。

●確定申告は不要だが、住民税の申告が必要になる対象者
(参考:所沢市役所ホームページ)
公的年金等の収入金額が400万円以下、かつ、公的年金等に係る雑所得以外の所得が20万円以下で、確定申告をしない場合でも、市民税・県民税の算定において各種控除(扶養控除、医療費控除など)を希望する方は市民税・県民税の申告が必要です。
平成31年度(平成30年中の所得)市民税・県民税の申告が必要な方チェック表
 

年金の所得額は計算表で簡単に計算できる

国民年金は原則65歳から受給開始ですが、厚生年金や確定給付企業年金、確定拠出企業年金、厚生年金基金などの公的年金等は人によって受給開始年齢が異なり、60歳頃から受給する人も少なくありません。

公的年金等の雑所得は、「公的年金等の収入金額の合計額-公的年金等の控除額」で計算しますが、ちょっぴり難しそう……。いいえ大丈夫、次の計算表を使えば簡単です。
公的年金等の雑所得の速算表

公的年金等の雑所得の速算表


【例】確定申告が必要な公的年金等の収入合計額が410万円の人の雑所得の金額
公的年金等の雑所得=410万円×0.85-78万5000円=270万円
*公的年金等の合計収入金額が410万円以上の場合、65歳未満・以上に関係なく同じ計算式を使います。

【例】公的年金等の収入合計額が300万円(=「年金受給者の確定申告不要制度」の対象)の人で、確定申告を行う場合の雑所得の金額
(65歳未満の場合)
公的年金等の雑所得=300万円×0.75-37万5000円=187万5000円
(65歳以上の場合)
公的年金等の雑所得=300万円-120万円=180万円

2018年度の税制改正で決まった「公的年金等控除の改正」は、2020年(平成32年)分以後(=2021年の確定申告)から適用されます。控除額が雑所得以外の所得の合計金額を基に決まるので、計算が少し複雑になります。
 

「公的年金等」と「その他の雑所得」を通算

公的年金等に含まれない個人年金は、原稿料や講演料、印税、内職の所得などと同じ「その他の雑所得」に分類され、「個人年金の収入金額-必要経費」で算出します。確定申告書の雑所得の欄に記入するのは、「公的年金等の雑所得」と「その他の雑所得」を通算した額(=合計額)です。
 

年金の確定申告時に注意すべき所得控除は4つ

年金の確定申告をする人で、70歳以上の人は次の4つの所得控除に注意してください。

配偶者控除
控除額は38万円ですが、その年の12月31日の年齢が70歳以上の配偶者については、控除額が10万円アップして48万円となります。

障害者控除
扶養配偶者や扶養親族に障害のある場合には、障害者控除27万円(特別障害者の場合は40万円、同居特別障害者の場合は75万円)も適用されます。

社会保険料控除(後期高齢者医療制度に属している人)
後期高齢者医療制度の保険料は、被保険者一人ひとりに対して保険料を計算し、原則として公的年金から引き落とします(=特別徴収)。

しかし、市区町村等へ一定の手続を行い、年金からの特別徴収に代えて、口座振替により保険料を支払った場合には、口座振替によりその保険料を支払った人(被保険者又は被保険者と生計を一にする配偶者その他の親族に限る)に社会保険料控除が適用されます(以上、国税庁「No.1130 社会保険料控除」より一部抜粋)。

配偶者の保険料が特別徴収されている場合は、世帯主が口座振替で支払い社会保険料の控除額を増やすことを検討しましょう。

寡婦控除・寡夫控除
寡婦・寡夫控除は27万円、特定の寡婦は35万円。以下の要件を満たす人は、この控除が受けられます。該当する人は活用しましょう。

(寡婦の要件)
1. 夫と死別・離婚した後、結婚していない人や夫が生死不明などの人で、扶養親族がいる人や総所得金額等が38万円以下の生計を一にする子がいる人
2. 夫と死別した後、再婚していない人や夫が生死不明などの人で、合計所得金額が500万円以下の人
3. 上の要件を満たした人で、扶養親族である子がおり、かつ合計所得金額が500万円以下の人は「特定の寡婦」に該当する

(寡夫の要件)
妻と死別・離婚した後に再婚していない人や妻が生死不明などの人で、合計所得金額が500万円以下であり、かつ総所得金額等が38万円以下の生計を一にする子がいる人

確定申告は、初回は大変かも知れません。しかし年金の確定申告の場合、2回目以降は大部分が同じです。変わるのは、本人が65歳になったときや配偶者が70歳になったときなど年齢の節目の時です。初回の申告時に、申告会場の相談コーナーを利用すると、申告のポイントを押さえることができるかもしれません。

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