老後に備えて自宅を大規模リフォームする中高年~熟年世代が増えています。大手住宅メーカーも「○○くん」といったリフォームパックでリフォーム需要に応え、市場は急拡大中です。

定年前の人に尋ねると、「大規模リフォーム費用として500~800万円程度を考えており、退職金の一部を充当する予定」。
退職金をリフォーム資金に充てることができる人はそれほど多くはいません。では、資金が捻出できない人は大規模リフォームをあきらめる?


老後資金の悩みを解消しつつ大規模リフォームを行う……。探しました。ありました。それは、リーバスモーゲージによく似たシステムの「高齢者向け返済特例制度」です。

「高齢者向け返済特例制度(バリアフリーリフォーム)」は、住宅金融公庫が取り扱っており、60歳以上の1戸建ての持ち主を対象としています。

【高齢者向け返済特例制度】
高齢者の方がお住まいになる住宅にバリアフリー工事を施したリフォームをする場合に、 毎月の返済が借入金の利息のみとなる制度です。元金については、借入申込みされた方がお亡くなりになったときに、相続人の方が支払っていただくか、ご自宅を担保処分していただくかして、一括してご返済いただきます。(住宅金融公庫ホームページより)



融資条件

借入対象者年齢借入申込時に満60歳以上の人(上限なし)
保証人高齢者居住支援センター((財)高齢者住宅財団の保証))が連帯保証人となる。
融資限度額500万円(保証される金額により異なる)
金利固定金利(2段階)
対象工事下記バリアフリー工事の基準に適合する工事
・床の段差解消
・廊下幅予備居室の出入り口幅
・浴室及び階段の手すりの設置
*他のリフォーム工事を合わせて行う場合も対象となる
返済方法毎月返済。ボーナス返済はなし。
返済額は利息のみ。
抵当権土地・建物に住宅金融公庫の第1位抵当権を設定
その他・団体信用生命保険は利用できない。
・住宅ローン控除の対象外である。



元本返済はいつ?

元本返済は、借入人が死亡した時に相続人が一括返済——担保となっている土地・建物を処分、また手持ちの現金等で借入金を精算——します。ここがリーバスモーゲージと同じで、自分で作り上げた資産を死後に活用して生前の借金を精算するというものです。


融資の流れ

カウンセリング
本制度の説明を受ける
簡易不動産鑑定
担保不動産の評価(土地の価格?建物取壊費用)
費用として7~8万円程度必要
「保証限度額証明書」発行
保証限度額は、簡易鑑定評価額の40%または500万円いずれか低い額。限度額が100万円未満の場合は証明書は発行不可
住宅金融公庫に融資申込・保証委託申込



その他

融資の連帯保証人である(財)高齢者住宅財団に対して、保証料と事務手数料を支払う必要があります。

・保証料=借入額×1.5%
・事務手数料=36,750円(消費税込み)
*繰上償還した場合でも、事務手数料及び保証料の返還はない。
*融資手数料が別途必要。


公庫の長期固定金利(2段階)で借り入れることででき、毎月返済するのは利息分だけ。これならリタイア—し年金暮らしになっても返済可能でしょう。また、借入金額が評価額の40%(最大500万円)と低く押さえられていることから、精算の際相続人は担保の土地・建物を処分しなくても残った現金と生命保険で精算することだって可能です。

超高齢社会では、60代はまだまだハナタレ小僧。自宅を高齢者仕様にリフォーム・整備することで、90~100歳まで自立して健康に暮らすことだって夢ではありません。高齢者の住宅整備として地方自治体が様々な助成制度を準備しています。更に「高齢者向け返済特例制度」を活用して自分らしい満ち足りた老後を準備しませんか?


次回は「高齢者の住宅整備のための公的助成制度について」です。


住宅金融公庫リフォーム融資についてはこちら
(財)高齢者住宅財団についてはこちら


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