国民年金、厚生年金だけが遺族年金ではない

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社員はもちろん、アルバイトやパートも労災保険に加入している

一家の大黒柱に万が一のことが起こった際、遺族に支給される「遺族年金」。遺族年金というと、
・国民年金から支給される「遺族基礎年金」
・厚生年金から支給される「遺族厚生年金」
そして
・共済年金から支給される「遺族共済年金」
を思い浮かべることと思います。

しかし、これ以外にも国から支給される「遺族年金」があることをご存知でしょうか?

遺族年金は、大黒柱が死亡した際に遺族に支給されるわけですが、その「死亡」にも様々な原因があるはずです。例えば事故で亡くなった場合でも、プライベートで事故に遭うこともあれば、仕事中に仕事が原因で事故に遭うこともあり得ますね。

こういった「仕事が原因で」死亡したような場合には、一定の要件はあるものの、労働者災害補償保険(以下、労災保険)から遺族年金が支給されることになります。労災保険からの遺族年金を「遺族補償年金」といいます。

この労災保険、皆さんにとってはあまりなじみのない保険制度かもしれませんが、労働者は必ず加入していて、厚生年金や健康保険と同じ国が運営する公的保険なのです。

遺族補償年金は、仕事中だけでなく、通勤途中の事故も対象 

この労災保険からの遺族年金「遺族補償年金」になじみがない原因は、
・仕事中に事故に遭遇すること自体、あまりない
・厚生年金のような保険料の支払いがない
といったことだろうと思います。

給与明細の控除欄に「厚生年金保険料」「雇用保険料」という項目はあると思いますが、「労災保険料」という項目はありません。ちなみに保険料は全額会社が負担しています。

労災保険の遺族年金は、仕事中の事故で被災した場合のほか、仕事が原因で病気になった場合も対象となります。過労死も仕事が原因と言えますので、労災保険の対象と認められるケースもあります。また、労災保険は仕事中だけではなく、通勤途中の事故も補償の対象となります。

労災保険から給付を受ける前提として、「仕事中の事故」「通勤途中の事故」と国に認定してもらう必要があります。勤務時間中であっても、仕事と関係ないことで事故にあった、とか、通勤途中に寄り道してそこで事故にあったというようなケースは認められないこともあります。

仕事中に死亡したからといって、すべて労災保険の対象となるわけではないことには注意したいですね。

最近は「過労死」や「アスベスト」など健康被害についての労災申請も増えているようです。この場合も、仕事と健康被害の因果関係についての認定を受ける必要があります。

次のページでは、手厚いこの遺族補償年金の中身について解説します。