年金/損をしない年金の受け取り方

こんなとき、どっちの年金を選べば得?(2ページ目)

公的年金は1人1年金という原則があり、例えば遺族年金と老齢年金のように目的が違う年金は、原則的にどちらか選択しないといけない場合があります。その典型例が、自分の老齢厚生年金と、遺族厚生年金です。

和田 雅彦

執筆者:和田 雅彦

年金ガイド

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3パターンの中から選択をすることに

「自分の年金」と「夫の年金」の選択をする場合、以下の3つのパターンから選択できるようになっています。

ア)「老齢基礎年金」と「老齢厚生年金」
イ)「老齢基礎年金」と「遺族厚生年金」
ウ)「老齢基礎年金」と「老齢厚生年金の2分の1と遺族厚生年金の3分の2」

ア)は「自分の年金」を選択したもの
イ)は「夫の年金」を選択したもの(これは「老齢」基礎と「遺族」厚生という受け取りができる「1人1年金」の例外です)
ウ)は「自分と夫の年金」をミックスしてもらう方法

このうち、どのパターンを選択するかは自由ですが、基本的には「最もたくさん受け取れる」パターンを選択するのが一般的です。

原則は、自分の年金を受け取る

本来なら、ア)かイ)の選択だけでよいはずなんですが、折衷案的なウ)という「第3の選択」が生まれたようです。

ただ、イ)を選択した場合でもまず「自分の老齢厚生年金」を優先して受け取り、「夫の遺族厚生年金」を差額分のみ受け取ることになります。自分の厚生年金は自分が働いて保険料を納めたものですから、まず自分の年金を受け取ることは当然といえば当然ですね。

3つのパターンのうち、どれが最もお得なのか?については、年金事務所で調べてもらえます。また、いったん選択したら二度と変更ができないということはありません。いつでも選択を変えることができます。

「年金」以外の給付との調整がある!?

どちらか選択というのは年金だけに限りません。同じ支給事由で雇用保険、健康保険や労災保険の給付が同時に受けられる際にも、調整がある場合があります。

典型例は、雇用保険の失業手当と老齢厚生年金です。60歳以降に老齢厚生年金を受け取ることができる人が退職後、失業手当を受け取る手続き(求職の申し込み)をすると、失業手当を受給し終わるまで老齢厚生年金の支給が止まります。

退職後、失業手当と年金の両方を受け取れると思っている人が少なくありません。注意したいですね。

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