年金には様々な格差が存在する

日本の年金制度には、制度上、様々な格差が存在しています。

この格差について、過去
会社員の妻と自営業者の妻、年金にこんな差
会社員と公務員、それでも年金に差!?共済年金
の記事において、会社員と自営業者、会社員と公務員、という「「職業間」年金格差」について書かせていただいております。

今回は、もっと根源的な格差について検証してみたいと思います。根源的なものとは、
「世代間格差」
と言われるものです。

今の年金受給者の世代(60歳~)と、若年世代(主に~30歳)で、支払う保険料と受け取る年金額に大きな「格差」が存在しているということです。この格差を生み出す要因はどこにあるのでしょうか?

世代間格差の原因は、年金財政制度にある

現在、日本は現役世代の保険料が、自分の年金ではなくその時代の年金の財源となる「賦課方式」という制度を採用しています。

このシステムが上手く機能する前提として、「年金受給世代の人数」と、「現役世代の人数」とのバランスが取れている必要があります。しかし、現在の日本の状況は、年金を受け取る人数がどんどん増加し、保険料を支払う現役世代の人数が減少していることは皆さんご存知のとおりです。

「少子高齢化」が進む日本でこのシステムを維持するためには、「保険料を徐々に引き上げ、受け取る年金額を徐々に引き下げて」いかざるを得ません。ただ、これを際限なく続けていくわけに行かず、平成16年の改正で、保険料の引き上げを一定段階で固定し、その範囲内で給付を行うことに方針転換しました。

このシステム変更により、保険料が際限なく引き上げられることはなくなった(少なくとも現段階では)わけですが、受け取る年金が幾らになるのかわからないなど、現役世代にとって不満、不安は解消されないままです。また受給権の保護という大原則があり、今年金を受け取っている方の権利は保障することにしているため、シワ寄せは現役世代に行くことになります。

40年間で保険料は34倍に跳ね上がった

さて、ここで皆さんに質問です。現在の国民年金の保険料は月15,100円(平成22年度)ですが、今から40年前の昭和45年の国民年金の保険料はいくらだったでしょうか?

昭和45年の国民年金の保険料は、何と「月450円」だったのです。今の約34分の1です。40年間で34倍になったわけですが、賃金水準はどうなったのか気になります。

その当時、大卒の初任給が約4万円だったようです。今20万円ぐらいですから、約5倍ですね。賃金は5倍になって、保険料は34倍になったということです。保険料の上昇度合いが異常さが良くわかります。

昭和45年から40年間国民年金の保険料を払うと、総額は約390万円になります。それに対し、受け取れる年金額は約80万円ですから5年弱で元が取れる計算となります。

一方、今20歳の人が今年から保険料を40年間払い込むと、保険料が16,900円で固定されたとして総額は約800万になり、受け取れる老齢基礎年金額が変わらないとしても元を取るのに10年も要することになります。

賃金や物価上昇を差し引いても、今20歳の人と60歳の年金システムでの大きな「格差」が良くわかります。

次ページで、さらに世代間格差を奥深く検証します