年金/遺族年金の仕組み

改善のはずが、改悪だった遺族年金の真実(2ページ目)

平成19年4月に妻の遺族年金について改正が有りました。この改正は一見改善と思えるものなのですが、良く見るとその改善点が思わぬマイナスを生み出すことがわかります。

和田 雅彦

執筆者:和田 雅彦

年金ガイド

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60歳以降も働き続ける場合にも影響が

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この「改悪」が適用になるのは、平成19年4月以降に新たに受給権が発生するものから。それ以前から遺族年金を受け取っている方には適用されない
さて、問題は税金や保険料だけに留まりません。60歳以降働きながら年金を受け取る場合、「在職老齢年金制度」により、年金が全部又は一部カットになることは御存知だと思います。

この在職老齢年金によるカットの対象となる年金は「老齢厚生年金」に限られています。ということは全額遺族年金なら、いくら働いて給料を貰っていたとしても全くカットがないわけです。

それを今回の改正から自分の老齢厚生年金を優先して受け取ることになるわけですから、年金カットの可能性が大きくなると言えます。働き続ける妻にとって、収入面からするとこの遺族年金の改正は、「改悪」と言わざるを得ないでしょう。

どさくさに紛れての改悪!?

確かに自分の老齢厚生年金を全額受け取りたい! という方もいるでしょうが、旦那さんの遺族年金を全額受け取りたい!という方もいらっしゃるはずです。

年金財政が逼迫して、少しでも支出(年金支給)を減らしたいという国の事情は理解できますが、これを「選択制」にせず、「必ず老齢厚生年金を全額受け取り」としたことに、ちょっと「悪意」を感じずにいられません。

今後、働き続ける女性が増えるでしょうから、この改正の影響を受ける方も増えると思われます。

また、今後も少しでも支出を減らしたい国のどさくさに紛れての「どさくさ改悪」に注意が必要ですね。


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